事業ローンの種類

事業ローン(ビジネスローン)を扱う会社は、銀行、消費者金融、信販会社、日本政策金融公庫など公的金融機関と4種類に分かれています。

銀行や信販会社、消費者金融が扱う不動産担保ローンを別枠で考えると、大きく5種類ととらえてください。

それぞれの事業ローンの特徴とメリット、デメリットを理解しておかないと、使いやすい借入先が分かりません。最低限知っておきたい概要について、順番に見ていきましょう。

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銀行の事業ローンについて

銀行の事業ローンは、中小企業対象の融資として提供されます。業歴や対象エリア、経営状態に制限がかけられるケースが目立ち、創業間もない会社にとっては高いハードルになることも多いようです。

経営状態が思わしくなかったり税金の未納があったりすると使えない商品も中にはあります。おかたいイメージの銀行が運営している事業ローンですから当然ですよね。

計画的に利用する人にとっては使いやすいローンですが、いざという時に助けてくれる商品とは言えません。

銀行の事業ローン「主な特徴」

従来の融資のように担当者が訪問、ヒアリングを行って状況把握、審査の担当部署がチェックして融資可否を判断する流れはとりません。

ある程度は機械的にチェックができるようなスコアリングシステムを採用、融資可否や可能額を判断する方式です。中小企業対象の貸し付けは規模の利益が働かず、旨味が少ないと考える銀行も多く、積極的な扱いはなされていない状況があります。

地方銀行では保証協会の保証を求めることが条件とされる商品が目立ち、「諸手を挙げて歓迎」という雰囲気ではありません。

銀行の事業ローンを選ぶメリット

審査通過のハードルは低いものではないものの、まとまった金額を融通してもらえるチャンスはあります。金利は比較的低く決まることが多く、コストを考えれば有利です。

消費者金融や信販会社の事業ローンの金利は10%を超す水準とされることも多いのに対して、最も有利な条件が適用されたら2%水準から利用できる事業ローンもあります。

さらに、銀行のネームバリューと安心感もメリットです。しっかりとした金融機関との取引を希望する会社に適しています。

銀行の事業ローン「デメリットと注意点」

最大のリスクは、融資実行までに必要な期間でしょう。最短でも1週間くらいはかかる商品が多く、1ヶ月以上必要とされるものもあります。少なくとも「今日、明日中にはお金がほしい」という要求は通りません。急ぎの時には消費者金融や信販会社を優先的に考えるのが基本です。

もう1つの注意点として、消費者金融によくある枠をもらう方式ではなくまとまったお金をドンと受け取る資金融通方法であることを理解しましょう。

最初に決めた金額では間に合わず、追加の資金調達をしたい時には、再度審査が必要です。限度額の範囲で細々と借りていくことができないと、いざという時のために申込をしておくという使い方には不向きです。

明確な資金需要、返済目処があるケースの利用をメインに考えましょう。

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消費者金融の事業ローンについて

消費者金融のカードローンの中には、事業目的で活用できないものもあります。個人事業主や中小企業の経営者が使いやすいように作られた専用ローンが事業ローン(ビジネスローン)と呼ばれる商品。

個人用よりまとまった金額を借りれるケースも多く、急ぎの資金需要が生じた時にも活用できます。

消費者金融「事業ローン」の特徴

消費者金融の個人用カードローンは総量規制の対象となって、年収の3分の1までに利用が制限されてしまいます。事業ローンとして借りる場合は一定の条件を満たすことで総量規制が適用されなくなって、もっと多くのお金を融通してもらえる可能性も出てくるところが特徴です。

◎総量規制対象外にする条件
1.資金の使い道が事業に関するものであること
2.確定申告書や事業計画、収支計画、資金計画など要求された書類を提出すること
3.返済能力を超えない範囲の利用であること

一部の消費者金融では生活用資金としての利用ができるカードローンもありますが、基本的には事業用途に使うものと考えましょう。

事業計画、収支計画などは少額希望の場合に免除されるケースもあります。たとえ生活資金としての活用が認められているカードであっても、ビジネスのお金とプライベートのお金が区別できなくなってしまうのは、望ましいことではありません。

個人用のカードと仕事用のローンカードを分けるなど、公私を区別する工夫をしましょう。返済能力の範囲で借りるというのは、個人用でも事業用でも同じです。

無計画に借入すると資金繰りがつかないおそれがあって、経営を圧迫する要因と考えてください。

消費者金融の事業ローンを選ぶメリット

消費者金融の審査ノウハウを活用することで、即日融資も可能なくらいのスピード対応が期待されます。急ぎでお金が必要な時でも相談にのってもらえる可能性があり、いざという場面で使いやすい商品です。

銀行の事業ローンとは違って限度額を設定、必要な金額だけを借入するシステムも多く、急な入り用に向けて用意しておくことができます。

キャッシュフローが安定しているタイミングで申込を行い、将来的な資金需要に備える方法も良いでしょう。持っているだけでコストが発生することはなく、あくまで使った分だけが借入とされます。

消費者金融「事業ローン」のデメリットと注意点

銀行や公的機関と比較して金利が高く、まとまった資金を融通してもらったり長期間利用したりすると収支を圧迫するおそれがあります。

あくまで窮地を乗り切る手段として活用、通常時にメイン利用する資金繰りは別の方法を用意しましょう。出ていくお金と入ってくるお金を把握するには、資金繰り表の作成がおすすめです。

現金ストックが多くなるタイミングに合わせて仕入れを行う、少なくなるタイミングを事前に把握して借入先を調達するなど、計画的に準備しましょう。

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信販会社の事業ローンについて

信販会社でも保証人・担保不要の事業ローンを扱っています。位置づけとしては、消費者金融に準ずるものです。銀行よりも柔軟に利用相談できる可能性が高く、スピード対応も期待できます。

信販会社の事業ローンを選ぶメリット

法人クレジットカードのような会員特典が付与される商品もあり、ゴルフ場や宿泊施設の優待利用が可能です。出張や接待で上手に活用することによって、コスト削減できるでしょう。

楽天市場に出店している事業者を対象とした楽天スーパービジネスローン、個人事業主専用(法人は不可)で少額需要に適したオリコのCREST for Biz(クレスト フォービズ)など目的特化型商品もそろっています。

信販会社「事業ローン」のデメリットと注意点

消費者金融同様に公的機関や銀行と比較して金利が高い傾向があり、経営を圧迫しかねません。また、返済方式が残高スライド定額方式・リボルビング払いになっていることが多いところもコスト圧迫要因です。

支払い金額が一定になることで収支のバランスをとりやすくも感じますが、返済が長期化するリスクがあります。返済期間が長引くほど総返済額は高くなる傾向があるため、使い方に注意しないと危険です。

資金に余裕があるタイミングで繰り上げ返済を行ったり1回払いを併用したりすれば、負担を軽減することはできます。資金計画に合わせて計画的な返済を行い、収支を安定させましょう。

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日本政策金融公庫の事業ローン

日本政策金融公庫とは、財務省管轄の特殊会社として始まった政府系金融機関です。国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・中小企業金融公庫と3つに分かれていたものが統合されて、現在の形になっています。

個人事業や中小企業を支える重要な役目を担っていて、銀行の融資が受けられない状態でも状況に応じてサポート、日本経済の活性化を下支えする方針です。

日本政策金融公庫を選ぶメリット

日本政策金融公庫を選ぶメリットは、大きく分けて2つあります。まず、創業時の資金需要にも対応してくれることです。

個人経営の飲食店や美容室、工務店など小規模な会社が開業する際に活用、700万円弱の借入を行うケースが目立ちます。融資先の約9割は従業員10名に満たない規模の会社で、約半数は個人企業というほど小規模事業者への支援にも積極的です。

◎融資先数及び1先あたりの平均融資残高(平成28年度末)
融資先数 88万先
1先あたりの平均融資残高 698万円

引用:https://www.jfc.go.jp/n/company/national/small.html

次に、利息水準が低いことです。2018年5月現在で担保を不要とする融資の基準利率は2.06~2.55%とされていました。銀行の事業ローンよりもさらにコストを軽減できて、有利な条件で資金調達可能です。創業して一定期間以内だったら、認定機関の指導を受けつつ融資を申請することによりもっと有利な条件も適用されます。

新商品の開発や収支の健全化目標で抜本的な改革を目指しているタイミングでは、利用を検討してみましょう。

日本政策金融公庫のデメリットと注意点

一方のデメリットは、利用にあたって提出する書類が多いことです。申込む制度によって必要書類は異なりますが、所定の書式に沿って記入した企業概要書、法人の履歴事項全部証明書または登記簿謄本、最近2期分の確定申告書と決算書、試算表(決算後6ヵ月以上経過している場合のみ)などを必要とします。

申込をしただけで審査が始まるわけではなく、面談が必要です。申込時に提出したものにさらに上乗せで資料を持参するようにいわれて、担当者と話し合います。

その場に出てきた担当者が上層部に掛け合ってくれて、可否が決定されるイメージです。これだけたくさんのステップを踏むことから当然時間がかかり、数日程度では終わりません。1ヶ月くらいはかかるものと考えて、お金が必要なタイミングに間に合うかを判断しましょう。

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不動産担保をつける事業ローン

担保となる不動産があれば、まとまった資金調達ができる確率が上がります。自社ビル、マンション、戸建住宅などの他、底地権や借地権を担保にすることも商品によっては可能です。

両親や親戚関係に依頼できれば、本人の不動産でなくても提供できるケースがあります。扱っている金融機関に事情を話し、担保にできるかを確認しましょう。

不動産担保ローンのメリット

一般的な事業ローンでは、億単位の借入を対象にしている商品が非常に少なく、初回から借入できる可能性は非常に低いのが実際です。

借入分に相当する価値の不動産担保を提供することによって金融機関のリスクを軽減できるため、まとまった資金の融通も認められるケースがあります。

不動産担保ローンで低金利の借入が認められたら他社から借りているものをまとめて返済、一本化する方法も考えましょう。総返済額が低くなるうえにキャッシュフローが安定する効果が期待されます。

担保不要のローンを希望している場合でも、未払い税金があるなど審査が通りにくい事情があれば、代替手段が必要です。不動産担保ローンで納税資金も含めて調達、滞納分をクリアにして経営が安定したところであらためて資金調達先を検討し直すといった対策ができます。

通常営業に必要な資金の他、納税に必要なお金も用意しておくのが安定経営の基本です。売掛金や資産の差し押さえが行われると資金繰りが一気に悪化するリスクもあるため、事前の対策をきちんとしましょう。

不動産担保ローンのデメリットと注意点

不動産担保ローンの最大のデメリットは、支払いができなかった場合に担保がとられてしまうことです。

とられてしまうだけではなく、資産価値の下落が見られた場合、不足分の返済義務も生じます。まとまった資金が借りられるとはいえ無計画に利用するものではなく、借り過ぎに注意しましょう。

その他の注意点として、登記費用や事務手数料など担保不要商品では発生しないコストもあります。気軽に利用する資金調達手段とは言えず、よく考えて申込を行いましょう。

不動産価値を鑑定するのに一定の時間がかかるため、スピード対応も受けられません。

前々から考えていた設備投資や根本的な経営改革など利用用途が明確で余裕を持ったスケジュールで進められる時にだけ検討する商品です。

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