事業ローンの審査基準

お金を借りるには、審査通過が条件ですが、銀行にしても消費者金融にしても、事業ローン審査の基準は企業秘密とされています。

金融機関に問い合わせをしても「総合的な判断」としか教えてもらえず、不安な想いをする人も多いのではないでしょうか。

具体的な事業ローンの審査基準は分からないにしても、見られやすいポイントを知ることで、審査対策することはできます。審査基準にされやすい5つのポイントを確認し、事業ローンの申込に備えましょう。

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事業ローン審査基準1 決算数値

まずは、決算数値です。ビジネスローンの申込をするにあたって、決算書類を提出します。ここから得られた情報をコンピューターに入力、融資可否を判断する方式(スコアリング方式)が事業ローン審査の主流です。

お金を貸す側としては「きちんと返してくれるか」というところが一番の関心ごとなので、収益性や安全性、返済能力に注目して審査がなされると考えられます。

冒頭で述べた通りに詳細基準はブラックボックスなのですが、スコアリングされやすい指標を知って、審査通過可能性を予想することは可能です。「こんなところを見ているのか」くらいの認識でも大丈夫なので、ひと通り理解しておきましょう。

収益性を図る指標

収益性を図るためには、売上高経常利益率や総資産経常利益率が参考になります。審査に前だって簡易的に状況判断するとしたら、当期利益額をチェックしましょう。当期利益額が赤字だと、検討できる事業ローンの選択肢は少なくなります。

指標を計算する方法も合わせて確認しておきましょう。売上高経常利益率は、売上高に対してどのくらい経常利益をあげているかを示すものです。総資産経常利益率は、総資産に対してどのくらい経常利益をあげているかを示していて、それぞれ以下の数式で計算します。

売上高経常利益率(%)=経常利益 ÷ 売上高 × 100
総資産経常利益率(%)=経常利益÷総資産 × 100

安全性を図る指標

安全性をチェックするには、資産と負債のバランスが参考になります。負債に対して資産が少ない会社だと、倒産リスクが高いためです。資産の性質も重要で、自己資本が多いほど安全性は高くなります。具体的な指標としては、当座比率や流動比率、自己資本比率に気をつけましょう。

当座比率 (%) = 当座資産 ÷ 流動負債 × 100
流動比率 (%) = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100
自己資本比率 (%) = 株主資本 ÷ 総資産 × 100

返済能力を図る指標

営業利益をベースとして、負債を返しきるにはどのくらいかかるかをチェックします。気をつけたい指標は、債務償還年数とインタレスト・カバレッジ・レシオです。債務償還年数は、有利子負債を生じた利益で返すには何年かかるかを示しています。インタレスト・カバレッジ・レシオは、利息の支払い能力を示すものです。

債務償還年数=(有利子負債-運転資金)÷キャッシュフロー
※キャッシュフロー額=営業利益+減価償却費
インタレスト・カバレッジ・レシオ= (営業利益+受取利息・配当金)÷支払利息

ここであげたものは例にすぎず、もっとたくさんの指標を計算することで、倒産リスクを予測します。収益性・安全性・返済能力と3つの観点を頭に入れて、自社評価に役立てましょう。

事業ローン審査基準2 一定以上の業歴

事業ローンの中には、事業を興してから一定年数経っている人を対象にしたものもあります。条件が明確に設定されている商品だと1~2年を目安にしていることが多く、規程分だけ業歴がないと審査に通過できません。

業歴が審査に影響する理由は?

創業間もない会社はビジネスが軌道に乗るか判断しにくいことがあり、リスクが高いという判断を受けがちです。

収益性や安全性を見るために必要な決算資料もできていない状態では、数値基準を満たすかどうかが分からないことも理由でしょう。

申込条件に業歴に関する規程が書かれていない場合でも、2期分の決算書が提出書類になっていたら同じことです。

業歴が足りない場合は創業融資を活用する

業歴が足りなくて申込できる先が限定されてしまっても、日本政策金融公庫ならチャンスはあります。新規開業資金の他、女性もしくは30歳未満の若者、55歳以上のシニア層の支援資金、再チャレンジ支援融資などを検討しましょう。

創業から1年以内なら優遇された利率で融資を受けることができる特例制度も選択肢に入ってきます。なお、一般的な事業ローンでも創業間もないタイミングで使えることが書かれていたら、諦めることはありません。

たとえば、きらぼし銀行では地方自治体および公的機関と連携した創業サポートローンを扱っています。専任コーディネーターのモニタリングを受けることなど細かい条件がいろいろとあるものの、前向きに考えてみましょう。

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事業ローン審査基準3 経営者の信用情報

事業ローンでは経営者の連帯保証をとることが多く、信用情報が審査に影響するケースもあります。過去に返済事故を起こしていたり個人として多額の借入を行っていたりすると、審査落ちの原因になりがちです。

経営者に関することだと、年齢も影響することがあります。60代を超えてから起業したとしても何年仕事を続けられるか不明確ですから、審査へマイナスに作用する要素です。

何歳になってもお元気な人はいるとはいっても、統計的な数値が重視されます。状況が許せば、不動産や売掛金担保の借入など経営者の信用情報を補完する有担保ローンも考えてみましょう。

事業ローン審査基準4 税金の滞納の有無

法人税や消費税、固定資産税の滞納があると、事業ローン審査にマイナスです。未納を伝えずに申込を行っても、決算書で分かります。決算書を提出しない会社でも、納税証明書の提出を求められたら隠し通すことはできません。

税金滞納が審査に影響する理由は?

税金の滞納があってもすぐに会社の資産の差し押さえがなされることは少ないので、経営が行き詰まった時に未納のまま放置してしまう会社が見られるためです。支払うべきものがきちんと処理できないくらい経営状態が悪化している会社にお金を貸すと、返ってこないリスクがあります。

また、倒産して残った財産を支払いにあてる際、税金の未払い分が優先です。
取り損ねてしまえば大損なので、税金の未納がないことを条件としています。

納税資金はあらかじめ準備しよう

納税スケジュールは前もって予測できるため、滞納を起こす前に準備しておく必要があります。経営状態が安定している時にまとまった金額の融資を受けたりカードローン型の事業ローンで枠をもらい、必要な資金を確保したりしましょう。

カードローン型の事業ローンとは、個人のカードローンのように審査結果に応じた限度額が設定されて、枠の範囲内で借入するシステムです。滞納を起こす前に資金準備をしておけばその場になって慌てる必要もなく、経営が安定します。

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事業ローン審査基準5 提出書類の信用度合

事業ローンの申込にあたって、申込書、提出書類の準備がいります。書類関係をいい加減に記載して食い違いが見られると、信用度合いを疑われる原因です。決算書と申込の数値は合致しているか、記載ミスはないかなど、よく確認して送信しましょう。

加えて、申込をしてから提出書類の準備に時間がかかりすぎてしまうことも、心象を悪くする要因です。あらかじめ準備しておくものを確認、言われた時にすぐに提示できる状態にしておきましょう。必要な書類関係は、申込をする事業ローンによって変わってきます。申込前に確認、そろえておくと安心です。

5つの基準以外に、経営者の印象や業種なども関係します。経営者の印象が関わるのは、対面で相談するケースです。社会人として恥ずかしくない服装をして、丁寧な対応をすれば、大きな問題にはなりません。

業種では、ビジネスモデルが固まっていて倒産リスクが低いものほど良い評価を得られる可能性が高くなります。最先端技術を扱うベンチャー企業やニッチなサービスを扱う業者だと、収益性を分かってもらう努力が必要なケースも出てくるでしょう。

決算数値や業歴と比較すれば影響度合いが高いものではありませんが、なかなか審査に通らない人は、他の要素がネックになっているケースはあります。どこに問題があるのかはっきりさせて、資金調達を進めてください。

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審査が通りやすい事業ローンの選び方

ここまで見てきて、自信がなくなってきた人も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、審査に通りやすい事業ローンはあるのか?です。少しでも審査通過確率を高める事業ローンの選び方を見ておきましょう。

銀行よりはノンバンクがおすすめ

事業ローンを扱う金融機関には、メガバンクや地方銀行、信用金庫、消費者金融や信販会社などがあります。ブランド力があって一般的に「信頼できる」と考えられる会社ほど審査基準が高くなる傾向があり、通過難易度も高めです。

業歴が浅い、経営状態が望ましくないなど審査を不安に感じる要素があれば、ノンバンクを中心に考えましょう。あくまで一般論ですが、ノンバンクの事業ローンの方が金利は高く、借入コストはかさみがちです。

金利が高いということは、審査のボーダーラインを低めに設定していることの裏返し。銀行の審査が難しい会社や個人事業主でも、借入できるチャンスがあります。

中小規模のノンバンクだと、自動的に審査可否を判断するスコアリングシステムを使っていないところもあるはずです。システマティックな審査では借入が難しい会社でも弁明の余地があり、相談できる可能性があります。

事業融資型ローンを選ぶ

事業ローンには、カードローン型と事業融資型の2種類があります。初回で融資額と返済スケジュールがきっちり決まる事業融資型のほうが貸す立場としてはリスクが低く、柔軟審査を受けられるかもしれません。

事業融資型であっても銀行、地方銀行はハードルが高めなので、中小規模のノンバンクの中から選択しましょう。やっぱり金利水準が高い傾向はあるので、過剰な利用は控えてください。経営が安定したら、より有利な条件で資金調達できるものへの乗り換えも検討しましょう。

事業融資に注力している会社を選ぶ

ノンバンクにもいろいろあって、個人向けローンメインの会社と事業融資に注力している会社があります。後者のほうがギリギリのラインを通してもらえる可能性が高く、審査が不安な人におすすめです。事業向けに強く、力を入れている会社としては、以下2つが検討されます。

ビジネクスト 事業者ローン

法人または個人事業主を対象として、1万〜1000万円の融資を行っています。カードローン型の商品なので上記の範囲で限度額が決まり、資金需要に応じて現金を引き出す仕組みです。インターネットから来店不要で申込が行えて、仕事に追われている経営者も非常に便利に活用できます。

ビジネスパートナー スモールビジネスローン

原則無担保・無保証、来店不要で契約できます。必要書類を提出してから翌営業日中には審査結果の回答を行うことがホームページに明記されていて、急ぎの資金需要にも対応できるレベルです。

中小企業支援を積極的に掲げる会社だけに、他社で断られた状況でもチャンスはあります。事業形態・業歴・代表者年齢と3つの項目だけで簡易診断できるツールもホームページに掲載されているため、可否判断の目安に試してみると良いでしょう。

ビジネスパートナー ビジネスローン 1秒診断

無担保事業ローンの審査が通らなくても資金調達方法いろいろあって、悲観する必要はありません。

担保に出す不動産があれば不動産担保ローン、一定の価値が期待される売上債権があればファクタリングなど、様々な選択肢を考えてみましょう。

資金計画は会社の経営を左右する生命線とも言えるものです。資金繰りが本当に苦しくなる前に具体的な行動を起こし、大切な会社を守りましょう。

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