住宅ローン控除はペアローンでも適用される?

住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んだ際に、年末の借り入れ残高に対して1%の減税が受けられるという制度です。

この控除は、ペアローンを組んだ場合でも同じように適用されます。

しかも、1つの物件に対してではなく、それぞれのローンに対して控除が適用されるため、ペアローンの場合は2人分の控除が可能となるのです。

今回は、ペアローンを組んだ時の住宅ローン控除の仕組みやメリット・デメリットについて、詳しくお話していきます。

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ペアローンとは?

共働き夫婦が増えたことで、住宅ローンも夫婦両方の収入をもとに組むという家庭が増えてきました。

また、二世帯住宅などを建てる時に、親子で住宅ローンを組むというケースも多いですね。

夫婦もしくは親子2人分の収入をもとに組める住宅ローンは、それぞれが連帯債務者となったり、どちらかが連帯保証人になるなどの方法がありますが、中でも人気なのが「ペアローン」です。

ペアローンは、連帯債務や連帯保証とは違い、夫と妻、もしくは親と子それぞれが債務を分け合い、1本ずつのローンを契約するというスタイルになります。そして、1つの物件に対して2本のローンが成立することになるのです。

これにより契約は2つになるので、契約にかかる諸費用も、それぞれにかかる手続きや手間も2倍となってしまいますが、その分以下のようなメリットも受け取れます。

・それぞれの負担を分け合うことが出来る。
・1人だけの収入では借りられなかった金額の借り入れが、2人の収入を合算することで可能になる。
・それぞれが契約者として、団体信用生命保険の保証の対象となる。
・住宅ローンの控除も両方に適用されるようになる。

今回は、ペアローンによるメリットの中の、「住宅ローンの控除も両方に適用されるようになる」という点に注目していきたいと思います。

※ペアローンについて詳しい内容は「夫婦で住宅ローンを組むペアローンのメリット・デメリット」をご覧ください。

ペアローンを組んだ時の住宅ローン控除

控除の内容は、単独でローンを契約した時と同じになります。

期間:10年間
控除額:年末借り入れ残高の1%
限度額:年間40万
最大限度額:400万円

この控除が、夫と妻、もしくは親と子それぞれに適用されることになるのです。

単独の住宅ローンの場合だと1人分しか受け取れなかった控除が2人分になると考えるととてもお得ですね。

ただし、3,000万円の物件を購入した場合、ペアローンにすると3,000万円に対する控除がそれぞれに適用されるわけではありません。それぞれの持ち分に対してなので、例えば、2,000万円と1000万円に分けてペアローンを組んだとすると、1人は2,000万円に対する1%の20万円、もう1人は1,000万円に対する1%の10万円が控除額となります。

ペアローンの際の住宅ローン控除については、もちろんメリットはありますが、デメリットとなってしまう場合もあります。

そこで、メリットとなる場合、デメリットとなる場合に分けて見ていきましょう。

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ペアローンのメリット

控除しきれなかった分を最大限活用

夫(子)が単独で3000万円程度の借り入れをして、30万円の控除が可能になったとしても、支払っている所得税が10万円程度だと、所得税からは10万円の還付しかされませんね。

さらに引ききれなかった分は住民税からも減税されますが、住民税から引かれるのは所得税の課税総所得金額等の7%で、さらに136,500円が上限となっています。

そのため上限まで引かれたとしても、10万円+136,500円=236,500円しか減税とならないのです。

本来なら30万円の減税が可能になるところ、単独ローンにすることで、63,500円(30万円-236,500円=63,500円)が引ききれないままになってしまうのです。

この引ききれなかった63,500円は翌年に繰り越すということもできません。

しかし、妻(親)にも収入があり、所得税を支払っている場合は、ペアローンにすることで妻(親)の所得税分も還付されます。

例えば、妻の所得税が7万円程度だった場合、2,000万円と1,000万円に分けてペアローンを組むと、控除可能額が、夫20万円、妻10万円になりますね。

そのうち、実際に支払っている所得税は夫10万円と妻7万円になるため、10万円+7万円=計17万円の控除が可能となるのです。

さらに、引ききれなかった分は住民税からも減税されるため、夫は住民税から10万円、妻は住民税から3万円減税してもらうことが出来ます。

すると控除額は、以下のようになります。

夫:10万円(所得税から控除)
夫:10万円(住民税から控除)
妻:7万円(所得税から控除)
妻:3万円(所得税から控除)

10万円+10万円+7万円+3万円=30万円

つまり、3,000万円に対する控除額30万円をしっかり活用できるということになるのです。

親子の場合も同じです。

子の所得税が10万円で、親の所得税が10万円だった場合、子の単独ローンだと所得税から10万円、住民税から136,500円の、計236,500円の減税しかできなかったところ、1500万円ずつの親子のペアローンにすることで、以下のような控除が期待できます。

子:10万円(所得税から控除)
子:5万円(住民税から控除)
親:10万円(所得税から控除)
親:5万円(住民税から控除)

この結果、10万円+5万円+10万円+5万円=30万円となり、同じ様に3,000万円の借り入れに対する控除額30万円をシッカリ活用できるようになるのです。

このように、単独ローンだと控除しきれなかった分が、ペアローンにすることで引ききれなかった控除分もシッカリと受取ることが出来るようになります。

それぞれの借り入れの割合や収入(支払っている所得税)によっても変動してくるので、最大限活用できる割合がどれくらいなのかを考慮して借り入れするといいですね。

最大800万円の減税

限度額は年間40万円までとなっているため、4,000万円を超える高額な借り入れをしても、40万円以上の控除は受けられません。

例えば5,000万円の物件を購入した場合、5,000万円の単独ローンを組んでしまうと、5,000万円に対しての1%である50万円ではなく、控除の上限である40万円までしか受けられないのです。

しかし債務を仮に4,000万円と1,000万円に分けて、夫婦(親子)でペアローンを組むと、4,000万円に対する控除40万円と1,000万円に対する控除の10万円の計50万円の控除が適用されることになります。

8,000万円以上の物件を購入した場合も、単独ローンにしてしまうと控除額は上限の40万円のみとなってしまいますが、4000万円ずつのペアローンを組んだとすると、夫(親)40万円、妻(子)40万円の計80万円もの控除となりますね。

もしも残債が10年後も4,000万円を切っていなかった場合、10年間で最大800万円の減税が期待できます。

もちろん、実際に支払っている以上の控除は受けられないため、必ずしも、残高の1%もしくは控除の限度額=還付金というわけではありませんが、高額な物件を購入する予定で、支払っている所得税が夫婦(親子)ともに40万円程度だった場合は、ペアローンにすることで控除分を余すことなく活用できるため、お得となりますね。

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ペアローンのデメリット

途中で妻や親の収入がなくなると控除額が半減?

夫婦でペアローンを組んだ場合、組んだ当初から10年間の控除期間は働き続けることが理想です。

もし控除される10年の間に妻の収入がなくなってしまうと、妻の控除分もゼロ円になってしまうからです。

しかし、妻の場合は、妊娠や出産などで一時的に働けなくなってしまう可能性もありますね。

せっかく高い減税を期待してペアローンにしたのに、結局は少ない借入額に対する夫の分の控除しか受けられなくなってしまっては、単独ローンを組んだ時よりも損になってしまいます。

また、親子でペアローンを組む場合は、ローンを組む時の親の年齢によっては、途中で定年退職してしまう可能性も出てきますね。控除が受けられる10年の間は働き続けることが出来るという自信がない場合は、控除額ばかりを気にしてペアローンを組むのは危険です。

ペアローンにする場合は、債務を安易に半分ずつに分けるのではなく、ペアを組む人の年齢や将来設計なども踏まえたうえで、不安の残る側の債務を少なめにするなど、その後何が起こっても対応できるような形にしておくことも大切です。

800万円減税は現実的ではない?

実際には800万円までの減税が受けられる家庭はあまりないかもしれません。

夫婦(親子)それぞれが毎年40万円の控除を受けるためには、借入残高の1%が控除額となるため、それぞれが4,000万円以上の借り入れをして、8,000万円以上の物件を購入しなければならないですね。

さらに10年後も4,000万円を切らない残債にするためには、1億円以上の物件を購入することになります。

4,000万円以上のローンを組めて、さらに所得税を40万円ほど支払っている妻というのは、あまり多くはないのではないでしょうか。

また、親子の場合は2人とも高収入だった場合、所得税も40万円程度支払っているケースもあるかもしれませんが、親の年齢によっては4,000万円以上の借り入れをするというのは難しいかもしれません。

つまり、年間80万円、10年で最大800万円という数字は、不可能ではありませんがあまり現実的なものではないと言えるでしょう。

減税で得しても諸費用で損をする可能性

控除額ばかりを気にしてペアローンを組んだとしても、ペアローンにすることで諸費用が2倍かかってしまうので、諸費用がかかりすぎて逆に損をしてしまうこともあります。

ペアローンを組む場合は、減税額がどれくらいになるのかを考えるのと同時に、諸費用がどれくらいかかるのかについても計算しておくようにしましょう。

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ペアローン「損得の判断」

ペアローンにすることで得になるか損になるかは、以下の金額を算出し、きちんとシミュレーションしておくといいでしょう。

①住宅ローンの減税額(10年間、返済を継続することにより残高が減少することも踏まえた上での減税額)
②ペアローンを組む2人(夫と妻、もしくは親と子)それぞれが支払う所得税額
③ペアローンを組んだ時にかかる諸費用

かかる諸費用よりも、減税額の方が高い場合は、お得になりますね。

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