事業ローンの借り換えの注意点 メリット・デメリット

事業ローンの借り換えとはどのようなことか、借り換えすることで期待されるメリットと気をつけたい注意点やデメリット、事業ローンを借り換えする金融機関の選び方に関して見ていきます。

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事業ローンの借り換えとは

事業ローンの借り換えとは、あるローン会社から借りているお金を全額返済する目的で他社と契約、完済した後に新しい条件をもって支払いを行っていくことを指します。

A社に対する100万円の事業ローンがある状態でB社と契約
→ B社から100万円を借りてA社の事業ローンを完済
→ B社に事業ローンの支払いを行っていく

といった流れです。

別のパターンとして、事業ローンの一本化も考えられます。一本化とは、複数の会社から借りているローンを特定の会社にまとめることです。

A社から100万円・B社から200万円の事業ローンがある状態でC社と契約
→ C社から300万円を借りてA社とB社の事業ローンを完済
→ C社に事業ローンの支払いを行っていく

といった流れをとります。一本化の場合はすでに利用している会社のうちのいずれかにローンをまとめる選択肢もあり、新しい会社と契約をする方法ばかりではありません。

もともとお金を貸していた会社にとっては「前倒しで全額返済を受けた」というだけのことです。快く思わない状況でも原則的には拒否することができず、その時点での貸し出しはゼロになります。

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事業ローンの借り換えを行うメリット

事業ローンの借り換えを行うことで期待されるメリットは、大きく分けて3つあります。それぞれの詳細を順番に見ていきましょう。

総返済額を圧縮できるケースがある

事業ローンを扱う業者によって、利子水準は異なるものです。低金利な業者に借り換えができれば総返済額を圧縮できる可能性があり、前の契約の解約手数料を考慮してもなおメリットが大きくなることもあります。

解約手数料とは、約束していた期限より前に完済することによって生じる金融機関の損失を穴埋めするお金です。

約束通りの返済を続けていたら生じたはずである利子収入の一部をペナルティーとして支払うことにより、完済を認めてもらいます。

手数料水準は利用している業者によって異なるため、契約時に受け取った書類で確認するもしくは窓口で聞いてみましょう。

毎月の返済負担軽減も可能

借り換え先とは無理がない返済計画を改めて考えていくことになり、毎月の支払い負担を軽減する交渉が認められることもあります。300万円の借入残高があるとして、毎月20万円ずつ15ヶ月かけて支払う予定だったものを毎月10万円ずつ30ヶ月にするイメージです。

実際にはここまで単純なお話ではなくて、利子が考慮されるため、返済期間が長くなるほど総返済額が増えていきます。

その点を考慮しても、メリットが大きい場合だけ活用しましょう。たとえば、「今のままでは毎月赤字になってしまうから、総返済額で損をしても無理がないペースで返していきたい」という状況です。

なお、借り換えを行わなくてもリスケジュールで対応できるケースはあります。

リスケジュールとは、今の状況を取引金融機関に相談、返済計画を立て直してもらう方法です。

リスケジュールを行うためには、返済条件変更申込書や経営改善計画書、資金繰り表などきちんと状況説明できる資料の用意が要求されます。

「事業ローンの支払い負担は軽減したいが、借入先との関係は維持したい」という状況で考えられる改善策ととらえてください。

新しい金融機関とのパイプができる

安定的に資金需要を満たすためには、複数の金融機関との取引を持った方が有利という考えもあります。

1つの銀行、信用金庫とだけおつきあいをしていると、金利や返済期間の交渉をする際に交渉材料がないためです。

事業ローンの借り換えを機に新しい金融機関とのパイプができれば、窮地に立たされた際に頼りにできる選択肢が広がります。

ここで気をつけたいのは、すでに複数の金融機関と取引しているケースです。会社規模にそぐわないほど取引金融機関が多い場合、どの業者とも良い関係を築けていないリスクがあります。

浅く・広くの状態では、いつまでたっても関係は深まりません。厳選した数社と長期的なおつきあいを考え、相互にメリットが大きな方法で関係を構築するのが理想です。

この場合は、とくに親しくなりたい金融機関にねらいを定めて、借り換えを検討するのも一案でしょう。借り換えを行った後も返済計画をきちんと守り、信頼関係を築いてください。

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事業ローンの借り換えを行うデメリット

事業ローンの借り換えには、一定のリスクも伴います。デメリットを理解したうえで検討しないと「こんなはずでは」ということになりかねません。主なデメリットとして頭に入れておきたい内容を順番に見ておきましょう。

金融機関との関係作りが振り出しに戻る

業績が好調なタイミングでは、金融機関から借り換えの提案を受けることも出てきます。これまでのローン会社から新しいところに切り替えた場合には、馴れ合いのおつきあいはできず、また1から信頼関係を構築し直す時間が必要になることを理解しましょう。

借り換えを行った契約に関しては、金利が低くなって有利な条件になったように感じていても、次の資金需要が生じたタイミングで優遇条件が提示される保証はありません。

付き合いが長い金融機関であればある程度は融通が効くシーンでも、実績がない状態ではビジネスライクな対応になってしまうのは当然です。

いざという時に助けてくれる金融機関こそ、メインの資金調達・預け先として長期にわたるおつきあいを考えたいもの。目先の利益だけで動くと経営が不安定になることだけは理解しておきましょう。

かえって返済コストがかさむケースもある

前の事業ローンとの金利差がわずかだと、解約手数料や契約時に必要な手数料を加味した時に損してしまうことがあります。

借り換えの目的と照らし合わせて、本当に自社に利益がある判断と言えるのかをよく考えて判断しないと危険です。

メリットのところで見たように「総返済コストが高くなっても毎月の返済を楽にしたい」など何らかの事情があってあえて損する選択をするなら良いのですが、見当違いの借り換えとならないように気をつけましょう。

低金利の事業ローンを希望する経営者は多くても、金利差によってどのくらいのメリットが期待されるかを把握している人は少ないとも言われます。

借入金額200万円・返済期間5年を想定、全国銀行協会 ローン借り換えシミュレーションを使って、金利差の影響を試算しました。

借入金利12%:毎月返済額44,489円 / 支払い総額 2,669,340円
借入金利8%:毎月返済額40,553円 / 支払い総額 2,433,180円

金利が4%変わると単純計算で236,160円得することになります。必要な手数料が236,160円以下なら総返済コストを圧縮できることが分かりました。

このようなシミュレーションをいくつか行ってはじめて、借り換えにメリットがあるかどうかがはっきりします。何となく良さそう、と安易な考えで判断するのは控えましょう。

借り換え審査の難易度が高い

借り換えを金融機関から打診されて検討するのではない場合、ローン会社を探して審査を受ける必要があります。審査に通過できないと、そもそも借り換えができないということです。

すでにある契約を完済するために、まとまった金額を融通してもらうことになるため、一般的な事業ローンより審査難易度は高くなるのが通常でしょう。経営状況が安定していない時には、受け入れ先がなかなか見つからないリスクが伴います。

なるべく有利な条件での事業ローン借り換えを認めてもらうためには、業績が好調な時期にこそ、受け入れ先を探しましょう。

事業計画、決算資料で利益が出ていることをきちんと提示、将来的な見通しに関しても問題ないと説明できる材料を用意して交渉します。

既存の事業ローンの返済が滞っている状態では、借り換えローンの審査も通りにくくなるものです。ほとんど返済が進んでいない状況で借り換え先を探した場合も、金融機関からの評価に影響します。

どんな事情があったにしても、契約を行った以上は誠実に対処していく責任が伴うものです。最初の契約の時点で将来的な見通しまでよく考え、自社にとってメリットが大きな取引を考えてください。

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事業ローンの借り換えはどこで行う?

借り換えを行う際、どこに依頼するかによっても、期待される効果や注意点は変わってきます。借り換えで検討できる金融機関の例と特徴を順番に見ておきましょう。

消費者金融・信販会社で借り換える

SMBCモビットプロミスアコムなど個人向けカードローンで有名な消費者金融、信販会社の扱っている事業ローンを活用する方法です。

銀行より柔軟な審査が期待される分だけ、金利水準は高め。消費者金融・信販会社以外の事業ローンからの借り換えだとかえってコストがかさむことも多く、よく考えて判断しましょう。

不動産があるようなら、アイフルの不動産担保ローン 事業サポートプランのように担保を提供することで金利を抑えている商品を活用するのも一案です。

その場合、手続きには一定の時間がかかりますから、余裕を持ったスケジュールで話し合いを進めてください。

また、返済が滞った時には担保不動産を取られてしまうリスクがあります。担保を提供したことで追加の資金枠が出来たとしても、過剰な利用は控えましょう。

銀行で借り換える

急な資金需要を消費者金融・信販会社の事業ローンで乗り切り、落ち着いたところで銀行への借り換えを行うと、コストを圧縮できることがあります。業績が上向いた段階で取引がある金融機関に相談すると良いでしょう。

銀行から銀行への借り換えは良い顔をされないこともあるため、打診先選びが大切です。少しでも低金利で借りられる銀行が見つかったらすぐに借り換えということを繰り返すと、資金調達以外にも影響が出てくるリスクがあります。

借り換えを受けてもらうからには、ある程度は腰を据えておつきあいをしていく覚悟で臨みましょう。資料の開示を求められたら真摯に対応、信頼関係を築く努力が不可欠です。

信用保証協会

信用保証協会の保証を使って確保した事業資金は、借換保証を検討できることもあります。借換保証の正式名称は、資金繰り円滑化借換保証です。

返済中のローンを一本化することによって毎月の返済を軽減、資金繰りを安定させる目的があります。

借換保証には、セーフティーネット保証と一般保証があります。セーフティーネット保証とは、取引先の倒産や金融機関再編に伴う貸出抑制、自然災害などを受けて資金繰りが苦しくなった中小企業へ通常の保証とは別枠での保証を行う仕組みです。セーフティーネット保証に該当しないものは全て一般保証に含まれます。

この仕組みを活用すれば、自社の信用だけでは審査に通らなかった銀行での一本化も検討できるケースがあり、資金計画を抜本的に見直したい事業者にとってはメリットが大きな手法でしょう。

一本化するだけでなく、前向きな計画のもとで行う新規資金の調達も許可される見込みがあります。

制度の利用可否については、地域の信用保証協会に問い合わせをすると、アドバイスをもらえるはずです。返済が滞ってどうにもできない状況になる前に、話しだけでも聞いてみましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は少し特殊な金融機関で、政府出資で成り立っています。公的な位置づけにあることから、民間銀行や消費者金融・信販会社→日本政策金融公庫という借り換えには応じません。総返済コストを軽減するため、日本政策金融公庫を活用することは難しいと考えてください。

あえて言えば、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)を行っていて、他の金融機関が追加の資金を貸してくれないくらい切羽詰まった状況になった時、相談にのってもらえます。

直近の決算で売上が5%以上落ちていること、税引前損益で損失が生じていることなど、いくつか列挙されている条件のいずれかに該当することが条件です。

使途は、経営を維持するために必要な設備投資や基盤の強化などに限定されます。

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