フラット35とは

今回は、住宅金融支援機構の全期間固定金利型住宅ローン「フラット35」の仕組みや内容について詳しく見ていきます。

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フラット35とは?

それぞれの銀行では、その銀行独自の住宅ローンを提供しており、金利タイプを見てみると、変動金利型や、3年・5年・7年・10年程度の短期固定金利型のものが多いのではないでしょうか。

銀行では、長期の固定金利型住宅ローンはリスクが高く資金調達も難しいため、避ける傾向にあります。一部、資金力のある都市銀行などでは全期間固定金利型の銀行独自の住宅ローンを取り扱っている場合もありますが、その数も限られているでしょう。

このように、変動や短期固定の住宅ローンが多い中で「全期間固定(最長35年)金利型」というフラット35だけはたくさんの金融機関で提供されています。

借り入れしてから完済時まで金利が変動することもない長期固定型で、さらにそれぞれが利用しやすい金融機関を窓口にすることが出来るフラット35は、他の銀行ローンにはない魅力があるとして、住宅ローンを検討している方の間で人気が集まっています。

では、全期間固定金利型が苦手な金融機関なのに、フラット35だけはなぜ、あちこちの銀行や金融機関で取り扱っているのでしょう?

実はフラット35は、金融機関と「住宅金融支援機構(旧 住宅金融公庫)」が提携して提供している住宅ローンになるのです。

住宅金融支援機構というのは、住生活向上に貢献するため、住宅金融公庫に代わって2007年4月に設立された独立行政法人です。

住宅金融支援機構が行うのは、その名の通り「支援」です。そのため、フラット35を取り扱っている金融機関の債権を買い取るなどして支援をしています。

それにより、金融機関は安心して長期固定金利のフラット35を提供することが出来るのです。

融資そのものを行っていた以前の住宅金融公庫とは違い、融資自体は窓口となる金融機関が行い、そのローンの主体となるのも金融機関になります。

そのため、住宅金融公庫だった時よりも多少リスクは抱えるものの、金利や事務手数料などはそれぞれの金融機関が独自に設定することができるようになっています。(金利は、住宅金融支援機構が定める金利幅の範囲内で設定)

そのため、同じフラット35でも窓口をどこの金融機関にするかによって、金利や手数料などは違ってくるのです。

「同じフラット35なのになぜ内容が違うのか?」

「変動や短期固定が多い中でフラット35だけはなぜ全期間固定金利で、あちこちの金融機関で取り扱っているのか?」

と疑問に思う方も多かったかと思いますが、こういうわけなのです。

以前は住宅金融公庫が直接融資を行っていたため、住宅金融公庫が提供する住宅ローンはどこの窓口で手続きをしても、金利も手数料もその内容も同じになっていました。

しかし、住宅金融支援機構になった今は、それぞれの金融機関が主体となりフラット35を販売するため、金融機関同士の競争も激しくなってきました。競争しあうことで、低金利や低コストのフラット35もどんどん増えてきています。

もちろん、金利は、住宅金融支援機構が定める金利幅の中から選択しなければならないので、大きく異なることはありませんが、互いに競争しあう銀行同士では顧客獲得のため、より低金利を狙います。

そのためたいていの金融機関では、住宅金融支援機構が定める金利幅の中から、最低金利を適用する傾向にあるのです。

これにより、住宅金融公庫が提供していた時より、融資を受ける側としては、より好条件のフラット35を選択出来るようになりました。

ただし、低金利でも手数料が高い場合もありますし、若干金利を高めに設定しているけれど手数料が安く利用しやすい場合もあるため、フラット35を検討する場合は、いくつかの金融機関のフラット35を見比べておくといいでしょう。

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フラット35の特徴

フラット35は、銀行独自の住宅ローンとは違う特徴を持ち合わせています。フラット35ならではの特徴をひとつずつ見ていきましょう。

①フラット35は全期間固定の金利プラン

フラット35の金利プランは、全期間固定金利のみになります。銀行独自のローンのように、変動金利タイプや短期固定金利タイプはありません。

固定期間は15年~35年の中から選択可能で、借入期間=固定期間となります。

金利は住宅金融支援機構で決めた金利の幅の中から、それぞれの窓口となる金融機関がそれぞれ決めていきます。

しかし同じフラット35でも金利に違いがあると、低く設定している金融機関へ顧客が集中しますね。そのため顧客獲得のため、たいていの金融機関では、金利幅の中の最低金利を選択する傾向にあります。

住宅金融支援機構では、10年ものの国債金利を基準に金利を決定しています。たいてい半月前の国債金利に0.9~1.1%程度上乗せされている傾向にあります。

そのため、フラット35の金利は、国債金利の傾向を見ることで、ある程度予想することが出来るのです。

②フラット35は物件重視の審査

銀行は物件と借りる人両方に対して慎重な審査を行いますが、フラット35の場合は、物件を重視した審査になります。

そのため借りる人に対する審査は比較的緩くなっています。

例えば、なかなか融資が受けづらい個人事業主や契約社員などでも融資を受けている方もたくさんいますし、勤続年数が1年未満でも借り入れできる場合もあります。

購入物件がフラット35の審査基準を満たしていれば、借りる人の条件が悪くても審査に通過しやすい傾向にあるのです。

基本的な審査は以下の様な利用条件をもとに行われます。

<利用条件>

申し込みできる方 申込時70歳未満の方
年収400万円未満の場合・・・(ローン返済負担率)30%以下
年収400万円以上の場合・・・(ローン返済負担率)35%以下
資金使途 申込本人か親族が住む新築住宅の建設・購入資金、もしくは中古住宅の購入資金
対象物件 戸建ての場合:床面積70㎡以上
マンションの場合:床面積30㎡以上
住宅金融支援機構の定めた技術基準に適合した新築、もしくは中古住宅
建設費もしくは購入額が、消費税込みで1億円以下の住宅
借入額 100万円以上8000万円以下で購入額以内
借入期間 15年以上35年以内
担保 対象の住宅と敷地に第1順位の抵当権を設定
保証人 不要

 

③フラット35の繰り上げ返済

インターネットから手続きを行う場合は10万円~、窓口で手続きをする場合は100万円~繰り上げ返済が可能です。繰り上げ返済日は毎月の返済日になるため、月に1回しか行うことが出来ません。

また、繰上げ返済を行う場合は1か月前に連絡する必要があります。ただし、繰り上げ返済する際、手数料は一切かかりません。

④フラット35の保証料

銀行で住宅ローンを組む場合は、高額な保証料を一括で支払う必要があるケースが多いですね。借入額によっても違ってきますが、3,000万円の借り入れに対して、60万円~80万円程度かかると言われています。

もしくは金利を上乗せして支払う形もありますが、この場合月々の負担は少なくても、総額にすると保証料だけで100万円を超えることもあります。

しかし、フラット35の場合は保証料0円になります。金利に上乗せされることもありませんし、一括支払いもないので安心です。

保証料がないなら、保証人を探さなくてはならないの?と思うかもしれませんが、保証は住宅金融支援機構が行ってくれるため、保証人を探す必要もありません。

⑤団体信用生命保険

団体信用生命保険の加入は任意となっています。

持病により団信に加入できない方でもフラット35に申し込むことが出来ます。また、平成29年10月より機構団信がリニューアルされたため、以前のように団信特約料を年払いする必要もなくなりました。

団信に加入する場合は金利を上乗せする形で特約料を支払っていくことが出来ます。

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フラット35の種類

フラット35はバリエーションも豊富で、購入する物件により金利が優遇されるものや、借り換え用のフラット35、フラット35を2種類組み合わせることが出来るもの等、様々です。

ここでは、フラット35のバリエーションについて詳しく見ていきたいと思います。

①フラット35

最長35年の、全期間固定金利が実現する住宅ローンになります。フラット35の基本となるローンですね。

借り入れする際に金利が決定し、その後金利が変動することもないので、借入から完済時まで返済額も一定です。変動金利や銀行独自の短期固定型よりは金利が若干高めになりますが、今後情勢が変わり金利が上がったとしても変わることはないので安心です。

特に今は住宅ローン金利がとても低くなっているので、このような低金利の時に組むととてもお得でしょう。

逆に高金利の時に組んでしまうと、完済時までその金利が適用されるため、損をするかもしれませんね。

ただし、未来の金利情勢は誰にもわからないため、常に金利をチェックしながらドキドキするのがイヤだという方には、このような全期間固定金利型のフラット35はお勧めです。

②フラット35S

省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性、可変性等の、一定の基準を満たす優れた住宅を購入する場合、フラット35よりも金利が引き下げられるフラット35Sを利用することが出来ます。

ただし、金利引き下げが可能になるのは、ローンを組んでから5年間もしくは10年間となります。

③フラット35 借換融資

住宅金融支援機構の定める技術基準に適合した住宅の場合、他行からの借り換えの際にフラット35借換融資を利用することが出来ます。

また、元々フラット35やフラット35Sを利用している方でも、フラット35借換融資に借り換えることもできます。

④フラット20

フラット35のうち、借入期間が15年以上20年以下のものをフラット20と言います。

返済期間が違うだけで、全期間固定金利のフラット35と内容は同じになっています。返済期間が短くなるので、月々の負担は大きくなりますが、その分総支払額を抑えることができるでしょう。

月々の支払いに余裕がある方にお勧めです。

ただし、1度フラット20を選択すると、途中から期間を延長することはできません。月々の返済が可能かどうかシッカリ考えたうえで申し込むとことが大切です。

⑤金利引継ぎ特約付き フラット35

「金利引継ぎ特約」がついていると、フラット35を返済中にその物件を売却することになっても、次の物件購入者に債務をそのまま引き継ぐことが出来ます。

金利もそのままで引継ぎとなるので、低金利で借り入れしていた場合、売却時に金利が上昇していても、以前の低金利のまま引き継ぐことができるのです。

ただし、借り換えの場合やフラット35Sに金利引継ぎ特約を付けることはできません。

⑥フラット50

長期優良住宅の認定を受けた住宅を購入する際、償還期間が最長50年になります。

この償還期間に合わせて、最長50年の固定金利型が実現するローンが、フラット50になります。期間は36年~50年で、更に「金利引継ぎ特約」がついています。

⑦ダブルフラット

将来的な返済負担を軽減させるため、以下の様にフラット35を2種類組み合わせることが出来ます。

・フラット20+フラット35
・フラット35+フラット35
・フラット20+フラット20

組み合わせてもそれぞれのローンに対して諸費用がかかってくるため、1本のローンだけを組む場合より初期費用がかさみますが、2本立てになることでローン後半の返済額を抑えられるなど、調整が可能になります。

⑧フラット35 リフォーム一体型

中古住宅を購入と同時にリフォームも予定している方が利用出来るフラット35になります。この場合も、通常のフラット35と同じ金利で借りることが出来ます。

技術基準が適合している場合は、フラット35Sも利用可能です。

⑨フラット35 リノベ

中古住宅を購入し、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性、可変性など性能向上のリフォームをする場合や、性能向上リフォームが行われた中古住宅を購入する場合に利用できます。

フラット35リノベを利用出来る場合、当初から10年間、フラット35の金利から0.5%引き下げられます。

⑩フラット35 保証型

フラット35 保証型は、金融機関が提供する全期間固定金利型の住宅ローンになるのですが、住宅金融支援機構が保険をつけ、万が一返済不能となった場合は住宅金融支援機構が金融機関に保険金を支払う仕組みとなっています。

フラット35ではあるものの、その内容や金利、手数料などは金融機関によって違ってきます。

参考:フラット35公式サイト

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