みなし弁済・みなし利息とは

みなし弁済・みなし利息とは
みなし弁済、みなし利息という曖昧な言葉を耳にしたことはありませんか?「みなし」というのは「仮にそうであると想定すること」という意味です。

つまり、確実にそうではないけれど、仮に想定しておきましょう、ということですね。

ではなぜ「みなし弁済」「みなし利息」という曖昧な言葉が発生してしまったのか、詳しく見ていきましょう。

 

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1.みなし利息とは

利息と言うのは本来、元本の額や期間に応じて支払われるもののことを言います。利息が多ければ多いほど、貸し手の利益に繋がるので、貸金業者は様々な理由をつけて高金利の設定をしたがる傾向にあります。

しかし、貸金業者は利息制限法を上回っての利率を設定できない決まりになっているのです。

借入金額に応じて上限金利は違ってきますが、現在の利息制限法では、最大でも20%となっています。つまり、20%を上回っての利息を設定されることはないということです。

しかし、これでは思うような利益を得られないと考える貸金業者も存在します。

そのような貸金業者は、利息を徴収できない代わりに、手数料や調査費用、礼金などと題して利息とは別の名目で高額を徴収し、高い利率で貸しつけた場合と同じ程度の利益を得ようと考えることがあります。

これでは、いくら法で上限金利を設定し消費者を守ろうとしても無意味となってしまいますね。

そこで、礼金や手数料など、本来なら利息ではないものでも、それらは全て利息としてみなしますという規定が設けられたのです。

これが「みなし利息」というものです。

低金利なのに、結果として高金利の返済をするのと同じになってしまう消費者を守るための大切な規定です。

利息以外の別の項目での徴収も、利息とみなして計算してしまうと、上限金利である20%を簡単に超えてしまう可能性が高くなってしまいます。貸金業者は20%を超えないように利率を引き下げるか、別項目の金額を減らすかという選択を迫られるのです。

こうすることで、利息として徴収できない分を別の項目に置き換えて高額回収しようとする貸金業者に歯止めをかけることが出来るようになったのです。

消費者を守るための大切な規定ですので、これから借入を予定している方はしっかりと覚えておくといいでしょう。

 

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2.みなし弁済とは

みなし利息とは違い、こちらのみなし弁済は消費者金融を守るための言葉でもあります。
「みなし弁済」を行うことは今現在は撤廃されていますが、過払い金請求の時などに消費者金融から度々この様な言葉が出てくることがありますので、みなし弁済とはどの様なものだったのかということを、利息制限法や出資法、過払金制度について触れながら、お話していきます。


①利息制限法と出資法

貸付を行う際、利息制限法で定められている利率の上限を上回らないように設定しなければならないとされています。

利息制限法では

・元本が10万円未満・・・年20%
・元本が10万円以上100万円未満・・・年18%
・元本が100万円以上・・・年15%

としています。

つまり、最大でも20%を超えた利息を請求すると、それは違法行為となりますので、過払い金請求の対象となってしまうのです。

しかし、利息を定める法には、利息制限法の他に出資法というものがあります。出資法は高金利での貸し付けを取り締まるための大切な法なのですが、ここで定める上限金利が、利息制限法よりも高いものであったため、当時問題が生じてしまっていたのです。

現在では、出資法における利息の上限も利息制限法と同じ20%となっていますが、改定前は利息制限法よりも高い29.2%となっていました。

これにより、利息制限法の上限20%を超え、出資法の上限29.2%までの、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる部分が発生してしまったのです。

出資法の改定が行われ、利息制限法と出資法の上限利率が同じになるまで、このグレーゾーンを利用した貸しつけが頻繁に行われていました。


②過払い金

消費者金融としては、利息を多く回収した方が利益に繋がりますので、ほとんどの消費者金融でグレーゾーンを利用し、出資法上限の利率を適用して貸付を行っていたと言われています。

しかし、出資法の上限金利を上回らなくても、利息制限法を上回った金利で貸し付けを行えば、貸金業者は刑事的責任は負わなくても、民事的責任は負うこととなるはずです。それなのに、なぜ、どの金融機関も出資法での上限ギリギリの利息を設定し、貸し付けを行っていたのでしょう?

それは、以前の貸金業法の中に「みなし弁済」という制度があったからです。

貸金業法では、「一定の要件を満たす場合、利息制限法で設定する制限額を超える利息の支払いがあったとしても、有効な利息の債務の弁済とみなす」としていました。

※ここで言う一定の要件とは

・貸主が貸金業登録を行っている貸金業者であること
・債務者が利息分と理解した上で、任意に支払っていること
・貸金業者は契約を締結した際、貸金業法第17条に規定する事項を記載した書面(契約証書)を債務者へ交付していること
・貸金業者は債権の弁済を受けた際に、貸金業法第18条に規定する事項を記載した書面(受取証書)を債務者へ交付していること

などです。

つまり、要件さえ満たせば、利息制限法を上回った利率で回収を行っても、出資法での上限金利を上回らなければその利息分については無効にはならないということです。

通常は利息制限法の規定を無視して貸付を行うと、超えた部分の利息は無効となり、後に過払い金請求によって回収されることとなってしまいます。

しかし、みなし弁済という規定に基づけば、このグレーゾーンで行われた貸しつけでも、その利息は無効とならず、過払い金請求をしても「みなし弁済だから」ということで返還の義務がなくなってしまうのです。

そのため、最近よく耳にする「過払い金請求」が行われる際に、金融機関側は度々「みなし弁済」という言葉を出してくるのです。

しかし、平成22年には出資法の上限金利も利息制限法と同じ20%に改定され、みなし弁済も廃止されることとなりました。

平成22年6月18日以降に締結した契約からは、グレーゾーンでの金利による貸しつけも行われていません。万が一20%を上回った利率での貸し付けが行われれば、その利息分は無効となり、過払い金請求により回収することが可能となります。

しかし、平成22年以前に締結した契約において、グレーゾーンの利息分は有効と主張する金融機関も多く存在しました。そこで、グレーゾーンでの貸しつけによる利息分は有効か無効かという裁判も行われました。

その結果、グレーゾーンの利率で回収した利息分も無効となるとの判決が下されたのです。

利息制限法の上限を超える利息の支払いがあったとしても、それが強制的に行われたのであれば、みなし弁済を行う際に必要な一定の要件でもある「債務者が任意に支払った」と言う部分をクリアできないと考えられたからです。

みなし弁済という制度を利用するには、上にあげたような要件をクリアしなければなりません。しかし、ほとんどの金融機関でこの要件を確実にクリアしないまま貸しつけが行われていたと言われています。

というのも、「これは利息制限法を上回った高金利です」とわざわざ説明をしてから貸し付けを行う業者はほとんど存在しなかったからです。このように説明を受ければ、利用者は借り入れ内容に納得はしないだろうと予測したからでしょう。

そのため、債務者は、これが高金利だということも理解し、利息分の支払いだということもわかったうえで返済を行ってはいたのですが、それが利息制限法の上限を上回ったものだということまではわかっていなかったのです。

そして、要件を無理矢理クリアするために十分な説明を怠り、利用者の理解が乏しいまま、半強制的に貸付契約を交わす形となっていました。

これでは、「債務者が利息分と理解した上で」という要件を確実に満たしているとは言えませんね。

また、「任意に」という部分でも疑念が残ります。

自ら高い金利を支払いたいと要求してくる利用者はいません。しかし、貸しつけの法律については知らない方がほとんどだったため、金融機関から要求されたままに支払いを行うことになってしまっていたのです。

これを金融機関側は「任意だった」としていますが、債務者の立場になって考えてみると「任意に支払っている」と捉えることはできませんね。

つまり、旧貸金業法のみなし弁済の要件をクリアできていないまま高金利で貸し付けを行ったものと考えられるため、そこで支払われた利息分も無効とされることになったのです。

これにより、みなし弁済も過払い金請求により回収することが可能となりました。

みなし利息があることで、消費者は、元金と利息以外の手数料や礼金など諸々の支払いに悩まされることから守られ、更にみなし弁済が撤廃されることで、利息制限法を上回った高い金利での支払いを要求されずに済むようになったのです。

今の貸金業が安定している理由として、様々な失敗を乗り越え、その都度曖昧な規定を改定してきたという背景があるからなのですね。

今後も多重債務や自己破産者が増え続けるようであれば新たな改定も行われるかもしれませんが、私たち一人一人が借入に対して誠実に向きあっていくことも大切です。

また、借り入れ内容についても、金融機関側にまかせっきりではなく、自らも確認し理解した上で契約を交わし、今後も便利なキャッシングやカードローンを上手に活用していきましょう。

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