会社からお金を借りれる制度「従業員貸付制度」

会社からお金を借りれる制度「従業員貸付制度」
お金を借りたいと思った場合、通常は通常はキャッシングやカードローンなど貸金業を専門に行っている金融機関の利用を考えると思いますが、会社員である場合、実は金融機関よりも低金利でお得に借りられる制度があるということをご存知ですか?

それは、会社が従業員に対し行っている、従業員貸付制度というものです。これは福利厚生とトラブル回避を目的としてその会社ごとに行われています。

今回は、低金利でお得な、この従業員貸付制度について詳しく見ていくことにしましょう。

 

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1.従業員貸付制度の目的

従業員貸付制度を設ける目的というのは、先ほども述べましたが、福利厚生とトラブル回避のためです。消費者金融や銀行カードローン、クレジットカードのキャッシング枠のように利息分から利益を得ようとして設けられているわけではありません。

あくまでも、会社のため、従業員のため、思いやりを持って行われるサービスのようなものです。

まずは福利厚生とはどの様なものなのか、貸付制度を行わないことで回避出来ないトラブルとはどういうものなのかについてお話していきます。


福利厚生

福利厚生と言うのは、企業が、従業員やその家族へ提供するサービスの様なもので、労働力の確保や従業員の働く意欲の向上などを期待して行われる制度です。

福利厚生は2種類に分けられるのですが、ひとつは法律で義務付けられた法定福利です。厚生年金保険、介護保険、労災保険、健康保険などの保険料を事業主が半額負担してくれるのもこれに当たりますね。

もうひとつの福利厚生は企業が任意で行う法定外福利です。交通費の負担や社宅の提供、健康診断、育児支援の実施、社員旅行、社員食堂の利用などがこれにあたります。

クラブ活動を行ったり、保養所などを格安で利用出来るようにするなど、社員の娯楽のために力を入れている会社もあります。

従業員貸付制度もまた、企業が任意で行う法定外福利であり、貸付制度を導入している企業と行っていない企業が存在します。

会社からお金を借りたいと思ったら、まずは法定外福利厚生の制度があるかどうか、またその内容について会社に問い合わせてみるといいでしょう。


借金トラブル

ここでいうトラブルというのは、従業員が消費者金融やヤミ金などから多額の借り入れをしてしまうことです。借金がふくらむことによって、従業員は仕事に集中出来なくなってしまう可能性もありますし、消費者金融からの催促などの電話を会社側が取り次がなければならなくなるかもしれません。

どちらにしても仕事を妨げるものとなってしまいますね。

さらに、従業員が借金を滞納してしまうと、会社からの給料を強制的に差し押さえられてしまったり、借金の取り立てが会社にまで来てしまうことも考えられます。

借金取り立て人によって会社の雰囲気が掻き乱され、会社のイメージダウンに繋がってしまうかもしれないのです。

そこで、この様なトラブルを未然に防ぐために、従業員貸付制度を取り入れている会社があるのです。

中小企業よりも大手企業の方が積極的に導入している傾向にありますが、最近は中小企業でも前向きに検討し始めているケースが多いようです。

消費者金融からの高金利での借り入れに躊躇っている場合は、1度会社に貸付制度を設けているか確認してみるといいでしょう。

 

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2.従業員貸付制度のしくみ

従業員貸付制度を取り入れる場合には、まずは消費者金融と同じような貸付制度の規定を作成し、それを過半数を超える従業員で作られている労働組合の代表者か、労働組合がない場合は過半数を超える従業員の代表者に納得してもらうことが大切です。

その上で、その代表者と会社側で締結し、労使協定を結んで初めて、その会社の従業員貸付制度が成立するのです。

会社側が勝手に行えるのではなく、過半数を超える従業員の同意も必要だということですね。

また、労使協定を結ぶと、その後の返済もスムーズに行えるようになります。

通常は「お金を貸しつけることで働く義務を背負わす」ということは法律で禁じられています。ですから、会社側が給料と貸付金の返済分を相殺するような、給料天引きと言うスタイルをとることは違法となってしまうのです。

天引きが出来ないと、給料は給料として口座へ振り込み手続きがなされ、今度はそこから従業員が返済分を会社へ戻すという2度手間を行わなければならなくなります。

これでは面倒ですし、会社側も確実な返済を期待できなくなってしまいますね。

しかし、次の条件をクリアすると、返済分を給料から天引きすることが許されます。

それが、

・福利厚生を目的としていること
・労使協定を結んでいること
・従業員貸付制度の規定があること

です。

つまり、従業員貸付制度の規定を作成し、その内容を従業員が承諾し、労使協定を結んでおくと、給料天引きスタイルの貸付制度が法律上許されるのです。

給料天引きが可能となると、会社側も毎月の返済分を確実に受け取れますし、従業員側も面倒な手間が省けるので一石二鳥と言えるでしょう。

では、給料天引きスタイルの従業員貸付制度を成立させるために必要な規定というのはどの様なものになるのでしょう?詳しく見ていきましょう。


3.従業員貸付制度の規定

従業員貸付制度を利用するには、その会社それぞれが設けている規定に沿っていなければなりません。

規定内容はその会社によって違ってきますが、一般的なのは次の様なものです。

対象者

会社によって貸付制度の対象となる方は違ってきますが、たいていは勤続年数3年以上の正社員などと決めているようです。契約社員や、新入社員などは借り入れが難しい傾向にあります。

これは消費者金融と同じですね。貸付を行ってすぐに退職してしまう危険性をぬぐえないからです。せっかく低金利で貸しつけを行ったのに、退職してしまい、給料からも差し引けない状態になってしまうと万が一滞納してしまった時に会社側は大きな損害を受けてしまうかもしれません。

仕事に真摯に向き合ってくれる、安定した正社員であれば、福利厚生としての意味合いも成立しますね。

限度額

会社の規模や考え方によって設定されている限度額は様々です。退職金同等の金額まで貸し出すこともあれば、数十万円で抑えている会社もあります。

また、従業員の役職によっても限度額を変えている場合もあります。例えば、一般職では限度額100万円でも、代理職は200万円、課長職は300万円などです。

資金使途

旅行やショッピングを目的として気楽に利用できるものではないことを頭に入れておきましょう。基本的には、怪我や病気によるものであったり、出産費用、教育費用など、会社側も融資が必要と感じられる理由であることが大切です。


担保

無担保の場合もありますが、連帯保証人などが必要になってくることもあります。


金利

貸付となるので、無金利で行うわけにはいきません。しかし、他の金融機関での最低金利に0.3%上乗せする程度に留めていることがほとんどです。

他の金融機関では最低金利が適用されるにはかなり厳しい条件をクリアしなければならなく、たいていは最高金利が適用されてしまうものです。ですから、最低金利+0.3%というのはかなり低金利ということになります。

借り入れを希望しているなら、金融機関より従業員貸付制度の方がずっとお得でしょう。

金銭消費貸借契約書の締結

従業員貸付制度でも、他の金融機関の貸付と同じです。ですから、同じように金銭消費貸借契約書を交わすこととなります。ここでは返済日や期限をいつにするのか、返済方法はどうするのかという細かい内容の取り決めが行われます。

返済は給料天引きですので、返済日は給料日に設定することが多いでしょう。


4.従業員貸付制度利用中の退職

貸付制度を利用している間に、何らかの理由から退職せざるを得なくなってしまうこともあるでしょう。

この場合、会社の好意を無駄にしないために退職を先延ばしにするという必要はありません。この貸し付けは、全額返済するまで退職してはいけないというものではないからです。

もちろん従業員が仕事に集中できる環境を整えるためのサービスの様なものではありますが、法律では貸しつけがあることによって働く義務を背負わすことは禁じています。

ですから、貸付制度を利用しているからと退職を踏みとどまる必要はないのですが、この場合、その後の返済は給料天引きにする事が出来ないので、会社の善意を無駄にしないよう、確実な返済を行っていきましょう。

また、希望すると退職金と相殺することも可能です。しかし借り入れしている本人が希望しなければ、会社側から強制的に相殺されることはありません。

突然の出費に頭を悩ませているのであれば、消費者金融や銀行など金融機関から借り入れる前に、一度会社に問い合わせているといいかもしれませんね。低金利で利用でき、返済分を振り込む手間も省けるので、他の金融機関よりもお得となるでしょう。

しかし、従業員貸付制度というのは、貸し付けによって会社側が利益を得ようとして行われるものではなく、あくまでも従業員のため、会社の好意で必要なお金を貸し出すという福利厚生です。

ですから、御小遣いが足りないから、給料前借り、などと言う安易な気持ちで利用しないようにしましょう。

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