無理のない返済金額って?計算方法は?

無理のない返済金額って?具体的には?
様々なローンを組む際、「いくらまで借りられるか」という点に注目しがちですが、ここには大きな落とし穴があります。

借りられる額=返済出来る額 とは言えないからです。

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金融機関では、借入可能額というのは年収から単純に割り出し提示しています。よくローンを組む場合は、年間返済額÷年収×100=25%以下になっていれば問題ないと言われていますが、金融機関でもこれと同じような計算式に当てはめ、年収に対してどれくらい貸し出すことができるか、と計算しているのです。

しかしこれでは、その方の収入に対する支出がどれくらいあるかという事が無視された状態になってしまいますね。

収入だけを見た限りでは提示した借入可能額を全額借り入れしても返済が可能のように思えたとしても、その方によっては一般的な額以上の支出があるかもしれません。同じ収入の方でも、家庭を持っているのか、結婚しているなら共働きなのか否か、子供の有無・人数・年齢などで、生活状況は大きく変化してしまいますね。

収入が少なくても、共働きで子供もいない家庭であれば借入可能額全額借り入れしても余裕を持って返済することが可能ですが、逆に収入が多くても、子供が多く、支出が多ければ、借りられる額いっぱい借り入れしてしまうと返済が困難になってしまいます。

ですから、支出を無視したこの様な計算式で借入可能額は導き出せたとしても、ローンを組むうえで一番大切な「返済可能額」までは導き出すことは出来ないのです。

ローンを組む時は、金融機関が提示してくれる「借りられる金額」だけを見て、限度額ギリギリまでローンを組むのではなく、ムリなく返済するには月々の返済額をいくらまでに設定するといいのか、という点を考えてから逆算して借入額を決めることが大切です。

期間を伸ばすことでも返済額を調整することはできますが、期間が伸びれば伸びるほど元金にかかる利息分が増えてしまいますので、少しでもお得に返済を終わらせたいのあれば、あまり返済期間を伸ばさない方がいいでしょう。

では、無理のない返済金額というのはどのように計算するといいのでしょう?

 

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収入と支出をしっかり把握する

自分の収入だけではなく、収入に対して支出がどれくらいあるかということを把握することが大切です。

また、収入や支出は常に変動していくものです。勤続年数が増えるにつれ収入が増えることもあれば、勤務先の経営状況により減給されてしまうことも考えられます。

お子さんがいるのであれば年齢が上がるに連れて教育費も嵩んで行くでしょう。

先のことは実際にはわかりませんが、様々な状況を想定し検討して行くことも、ローンを組むうえで大切なことなのです。

では、具体的にどのような点に着目したら良いのか、詳しく見ていきましょう。

①収入を把握する

一番大切なことは収入額ですね。

ここで言う収入は、年収ではなく年間の手取り額です。年収が多くても、結局は税金などが差し引かれて手元に残るお金は減ってしまいますね。

しかし、その手取り額こそが、実際に使用することが出来る金額ですので、この手取りの正確な額を算出してみましょう。

共働きなのであれば合算して考えてもいいのですが、奥さんは突然の妊娠や出産などで働けなくなってしまう事も考えられます。万が一の場合も想定しておいた方が安全です。

出来れば、ローン申し込み者本人の手取り額だけで返済可能な額を算出するようにしましょう。

もしボーナスがあるのであれば、ボーナス分も組み込んで計算します。

②支出を把握する

毎月だいたい決まった額の支出があるはずです。家賃や光熱費、食費、医療費、通信費、交際費、保険料、車の維持費、日用品、マンションであれば管理費、駐車場代など、毎月確実に支払わなければならないものの大まかな金額を出し、年間の支出を計算してみましょう。

さらに、毎月はかからないけれど、毎年必要となるお金というものもありますね。(カードの年会費、車の税金、年払いの保険料等)これらも合算して年間にどれくらいの支出があるかということを把握します。

家計簿を付けているなら、年間どれくらいの支出があるか、より把握しやすいでしょう。収入に対してどれくらいお金が消えているのかを知り、ローンを組む前に節約できる部分はないか、再度見直してみることも大切です。

見直すことで、更に借り入れ出来る金額を増やせるかもしれません。

万が一、収入よりも支出の方が多い状態なのであれば、黒字に戻せるよう見直しをしなくては、今後ローンを組んでも返済額を捻出することができませんね。その場合は借り入れすることが出来ませんので、使いすぎている部分を削る努力をしてみましょう。

③将来的な支出を想定する

例えば住宅ローンを組むための返済可能金額を調べようとしているのであれば、住宅を購入したからこそかかってくるお金というものを知っておくことが大切です。

マンションであれば修繕積立金・管理費・駐車場代などがかかってきますし、一軒家でも今後の修繕の為に積み立てしていく必要がありますし、資産を持つことで固定資産税というものもかかってきますね。

引っ越すことで勤務先や学校から遠くなってしまう場合もあるでしょう。そのために交通費がかさむことも考えられますし、広い家に引っ越したのであれば光熱費もそれまでより高額になる可能性が高いです。

さらに今後のことも、ある程度計画を立てておかなければなりません。

子供が増える可能性があるのかどうか、増えるなら何人くらいまでを考えているのか、その子どもが中学受験・高校受験・大学受験をする可能性や、受験するにあたっての塾にかかる費用等も想定しておきましょう。

子供の人数が増えれば増えるほど、教育費も倍増していきます。

また、今の子供の教育費と言うのは昔よりも高額になることが予想されます。

小学生のうちから携帯電話やスマートフォンを持つ子が多くなりましたし、ブランドの服に興味を持ったり、様々な習い事を希望したり、低学年のうちから塾通いする子もいるでしょう。

自分の家での教育方針はどのようなものにするのか、という事も考えておくといいですね。

子供のいる家庭であれば、確実に将来的に支出は増えていくものです。増加する支出を見越して返済額を決めておくことが出来れば、今後慌てることもないでしょう。

 

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④返済可能年数を把握する

カードローンやキャッシングであれば、それほど長期にはなりませんが、住宅ローンであれば、たいていは最長35年まで組むことが出来ますね。

しかし、35歳で35年ローンを組んでしまうと、完済時の年齢は70歳になってしまいます。60歳で定年退職しなければならない場合、残りの10年は年金生活をしながらローンを返済して行くことになりますね。

それは可能でしょうか?

出来れば、退職するまでに完済しておきたいものです。

退職時期も会社によって違うと思いますが、60歳~65歳くらいまでにはローンを終わらせられると安心ですね。すると今35歳なのであれば、返済可能年数というのは25年~30年という事になります。

このように、自分の今の年齢から考えて、何年ローンを組むことが出来るかという事も考えておきましょう。

返済可能金額を算出

上記の①~④までの計算が全て終了したら、返済可能額を計算することが出来ます。

<①手取り額-②支出-③将来的な支出=年間の返済可能額>となります。

もし貯蓄もして行きたいと考えるのであれば、更に返済可能額から貯蓄額も引いてみましょう。月々の返済額を知りたい場合はこれを12で割ってみましょう。

返済可能額がわかると、次の計算式に当てはめて借り入れするべき金額を算出してみることも出来ます。

<年間の返済可能額×返済可能年数=利息を含めた借り入れ可能額>

この利息を含めた借り入れ可能額から利息分を差し引くと、正確な借り入れ可能額を算出できるのですが、利息はその金融機関やローンの種類ごとに違ってきますので、今後借り入れたいローンの利率がどれくらいになるかによって借入可能額は変わってくることになります。

様々な会社で提供しているネットの返済シミュレーションなどを利用すると、より細かい金額を算出することが出来るでしょう。

まだ独身であったり、結婚して間もない時や、子供が小さい時であれば、それほど支出も多くありませんので、返済可能と考えられる額も多めになるでしょう。

しかし、今後結婚し、子供が成長し、食費や教育費がかさんでいく等、将来的な支出を考えると、長期的なローンであればあるほど、確実に返済して行くことが出来るよう先を見越して設定しておくことが大切です。

ローンの返済と同時に老後や病気になった時のためにも、貯蓄もして行きたいものですね。

支出が増えてから「返済出来ない」と慌てることのないよう、ローンを組む前からしっかりと返済計画を立てておきましょう。

同時に支出の見直しも行えるいい機会かもしれませんね。

きちんと家計簿を付けていない場合は、知らず知らずのうちに消えているお金というものが多いものです。ローンを組む前に家計簿を付け、毎月の支出を把握しておくと、今月はここまで、これは来月購入しようなどと上手に家計をコントロールすることができるでしょう。

お金はなかなか思うように貯めることが出来ないものですが、どの様な形で消えているのかということが明確になっていると、気持ちも引き締めやすくなるものです。

自分だけではなく、家族全員で家計簿を管理しながら、協力していけるといいですね。

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