リフォームローンの選び方

リフォームをするときに借りることのできるローン

リフォームをするとなるとまとまったお金が必要ですが、すぐに用意できる方はなかなかいないのではないでしょうか。

また、計画的にお金を貯めていても子どもの進学や結婚などのライフイベントや車など高価な生活用品の買い替えの時期が重なると、お金がないわけではないけれど今は手をつけたくない…という状況になることもあります。

それでもリフォームをする必要があるというジレンマを解消するために「お金を借りる」という手段を検討してみるのも一つの方法です。

ここではリフォームに使えるローンの種類やおおまかな特徴をご紹介します。

住宅ローン

「住宅ローン=住宅購入のときに利用するもの」と思っている方もいるかも知れませんが、リフォームでも住宅ローンを借りることが可能な場合があります。

最近では、中古住宅を購入するのとリフォームを同時にしたいという方も増えており、住宅の購入費用とリフォーム費用を一括で借りることのできるリフォーム一体型住宅ローンというものを取り扱っている金融機関もあります。

住宅ローンは借入限度額が大きく、金利も安く、返済期間が長いことから、住宅購入時だけでなくリフォームにおいても利用できれば嬉しいですね。
しかし、住宅ローンを組むための手続きは他のローンに比べて複雑であったり、審査が厳しめです。また、団体信用生命保険への加入が必須なことがほとんどなので、団体信用生命保険に加入できないと住宅ローンを組めないということもあります。

住宅ローンは担保(万が一お金が返せなくなったときに返済にあてるために差し出すもの、自宅とすることがほとんど)が必要になりますので、抵当権の設定やそれにともなう費用がかかったりと簡単には借りることができないというデメリットもあります。

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リフォームローン

リフォームローンはリフォームに用途を限定したローンです。リフォームに限定というと、水回りの改装とかにしか使えないのかな…と思いがちですが、外壁塗装や車庫の設置、省エネ器具の設置やバリアフリー化など幅広いリフォームに使うことが可能です。

リフォームローンには無担保型のリフォームローンと有担保型のリフォームローンの2種類があります。

無担保型のリフォームローンは、住宅ローンとは異なり抵当権の設定や団体信用生命保険への加入は必要ありません。

審査基準は住宅ローンより易しいことが多く、手続きの面でも住宅ローンでは必要だった抵当権の設定やそれにともなう費用が省かれるため、簡易で、申込みから融資までがスピーディーというメリットがあります。

住宅ローンよりは借入限度額が少なくなり、金利はやや高め、返済期間も短くなるというデメリットもあります。

有担保型のリフォームローンは住宅ローンとの区別が曖昧な場合があります。有担保型のリフォームローンは、住宅ローンと同様に、万が一お金が返せなくなったときのために主に自宅などを担保として設定するので抵当権の設定が必要です。

ただし、そのぶん無担保型のリフォームローンよりも借入限度額が大きくなるなどのメリットもあります。ほぼ住宅ローンと同じと考えてもよいでしょう。

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カードローン

カードローンでは、保証人も担保も不要で用途も自由に使えるお金を貸してくれます。なぜそのようなことが可能なのでしょうか。それは、借りる人の収入を信用としているからです。

そのため、借りる人の収入によって借りられる限度額も異なります。また、収入がない人は原則として借りることはできませんが、最近では専業主婦でも配偶者に一定の収入があったり少額であればカードローンでお金を借りることができる場合もあるようなので、無収入だから絶対に1円も借りられないというわけでもありません。

その点で審査においては、借りられるか借りられないかというよりは、どのくらいまでの金額を借りられるかということが焦点になる方が多いと思います。

借入限度額が決まると、借入限度額までは何度でも借りることが可能です。例えば、借入限度額が100万円までだったとします。とりあえず50万借りて、足りなければさらに10万円借り、それでも足りなければ次は20万円借りる…と限度額までであれば何回でもスピーディーに融資を受けることが可能です。

また、カードローンは担保も保証人も必要ないことから手続きが簡単で融資までの時間がとても早いというメリットもあります。

申込方法は会社によって異なりますが、窓口以外でもネットや電話などでも可能です。すぐに審査が行われ、カードが発行され、その日のうちに融資が受けられるという場合もあります。

大手の金融機関が提供しているカードローンでは、わざわざ専用のATMまで行かなくても提携している銀行やコンビニのATMやネットを使ってお金を受け取ったり返済することができます。

とても手軽で魅力的ですが、金利は住宅ローンやリフォームローンよりも高くなります。
しかも、金利が契約まで明確でないことが多く、3.0%~18.0%など借入金額やその人のステータスなどによってずいぶん変わってきてしまいます。

そのため、多額の借り入れや長期間の借り入れには不向きといえそうです。

カードローンは銀行や銀行以外の金融機関が提供しています。貸金業者が提供しているカードローンでは年収の1/3までしか借りられない総量規制にひっかかるのではないかと心配かもしれませんが、リフォームを目的とした借り入れであれば総量規制の対象にはなりませんので年収の1/3以上の金額であっても借り入れが可能です。

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フリーローン

フリーローンはカードローンと同様に住宅ローンやリフォームローンのように使いみちが限定されていません。もちろん、リフォームの資金としても借りることが可能です(ただし、土地や不動産の”購入”には使えないことがほとんどです)。しかし、借りるときには何に使うのか、いくら借りたいのかを明確にして申告する必要があります。

カードローンのように限度額までなら何度でも借りられるというスタイルではなく、一度リフォームのために50万円借りたら、その50万円を返済し終えるまでは追加で借りることが難しいのです。カードローンに比べると融通が利かないような印象を受けるかもしれませんが、計画的に借りて堅実に返済していけるというメリットととらえることもできます。

フリーローンは、担保がいらないものもありますが、担保を設定してより多くのお金を借りることが可能な商品もあります。同じフリーローンというくくりであっても、担保ありのフリーローンのほうが金利は安くなる傾向があります。

また、金利自体はカードローンより低めの設定で、何%とはっきりしているところと、カードローンの金利と同じように。2.5%~15.0%などと書かれており契約までわからないこともあります。

フリーローンの審査はカードローンよりは厳しい傾向がありますが、リフォームローンの審査に落ちてしまった人にはフリーローンの検討をすすめている銀行もありますので、リフォームローンよりは審査に通りやすいと予想されます。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージは持ち家を担保にお金を借りる制度です。自宅を担保にして、自宅に住み続けながらら融資を受け、死亡後に自宅を売却することで一括返済します。

リバースモーゲージを提供しているのは、自治体(社会福祉協議会)と金融機関ですが、自治体と金融機関が提供するリバースモーゲージには若干性質に違いがあります。

例えば、対象年齢が自治体の場合原則として65歳以上ですが、金融機関では50歳以上から可能なところもあります。所得条件も自治体は低所得者や生活保護受給認定されている方に限られていますが、金融機関では一定の所得がある方というふうに多くの方が利用できるようになっています。

また、融資の受け方も自治体では毎月受け取ることになりますが、金融機関では一括して融資を受けることができます。イメージとしては、自治体の提供するリバースモーゲージは弱者を救済するための制度で金融機関の提供するリバースモーゲージは用途自由のローンに近いかと思います。

利用条件やリフォームのときにはある程度まとまったお金が必要になることを考慮すると、自治体の提供するリバースモーゲージではなく金融機関の提供するリバースモーゲージを利用することになると思います。

リバースモーゲージのメリットとしては、自宅に住みながら融資を受けることができ、かつ生きているときには原則として返済の義務がないことが挙げられます。

一方で、マンションではリバースモーゲージが利用できなかったり、借り入れ金額は担保となる住宅の評価額に大きく左右されるといったデメリットもあります。

地価の低い地域ではそもそも利用できないこともあります。また、死亡後に担保となる自宅を売却して返済することになるため、リバースモーゲージを利用するには子どもなど相続人全員の同意を得る必要があります。

さらに、いいことでもあるのですが長生きした場合には借入額が増えたり金利が上昇したりと返済額が大きくなったり、担保にしている自宅などの評価額が下落すると融資の限度額よりも借りたお金のほうが多くなってしまい一括返済を求められる可能性もゼロではありません。そうしたデメリットも頭に入れておく必要があります。

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契約者貸付

リフォームのローンとして利用する方はあまり多くないかもしれませんが、損保会社などが提供する「契約者貸付制度」を利用するのも一つの方法です。契約者貸付とは、契約している保険の解約返戻金を元手にお金を借り入れるものです。

保険を解約するわけではなく、もし入院や手術の給付金などを受けていてもこの制度を利用することはできます。なぜそのようなことが可能なのでしょうか。

生命保険などの保険料は、死亡保険料(亡くなったときに支払われるもの)、付加保険料(保険会社に払う手数料のようなもの)、生存保険料(生きているうちに受け取れる積立金)が含まれています。

加入者が生存しているうちに保険を解約した場合、死亡保険料や付加保険料は戻ってきませんが、生存保険料の一部は解約返戻金として戻ってきます。

契約者貸付制度が利用できるのは、解約返戻金があるタイプの生命保険や養老保険に限ります。解約返戻金がないタイプ保険では契約者貸付制度が利用できるわけではありませんので注意が必要です。

また、解約返戻金がある保険であっても契約者貸付制度が利用できない場合があるので、制度を利用できるかどうかは保険会社に確認する必要があります。

契約者貸付制度を利用するメリットとしては、審査がなく融資がスピーディーなことや使いみちが自由なフリーローンやカードローンよりも利子が安いこと、信用情報機関の信用情報に載らないことなどが挙げられます。

一方、住宅ローンなどでは「単利」が採用されていますが契約者貸付は「複利」が適用されます。

契約者貸付制度では借入日から利子が発生し、利子が返済されない場合には1年後の借入日に残った利子が元金へ繰り入れられ、残った利子を含めた金額に対してまた新たに利子が発生することになります。つまり、返せないままだと利子がどんどん行きただるま式に増えていくことになります。

そのまま返せないでいると限度額(解約返戻金の9割がラインになっています)を超え、限度額を超えると保険が失効してしまいます。

これが契約者貸付のデメリットといえる側面です。もうひとつ注意したいのが適用される利率です。利率は、制度の対象となる契約における契約日によって決まり、借り入れをする時点の利率ではありません。

バブル期など昔に契約した予定利率の良い保険では解約返戻金も多くなっていることでしょう。そのぶん金利も高くなってしまう傾向があり、良い面だけではないので注意が必要です。

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金利の安さでローンを選ぶなら?

リフォームとひとことでいっても、数十万円の規模のものから数百万や1,000万円以上といった大規模なリフォームまでさまざまです。

とくに規模や金額の大きな工事を予定していて借りる金額が多くなりそうな方は金利の安さを重視したいと思っているかもしれません。

たかだか0.数%、1%…と思っていても、借りる額が大きいほど総支払額にも差がでてきます。金利の安さを求める方には、まずおすすめなのが住宅ローンです。

住宅ローンは審査や手続きに時間や手間がかかりますが、金利の安さでいえばダントツです。すでに住宅ローンを借りているからリフォームに使える住宅ローンを借りるのはできないかも…と思っている方もいるかもしれませんが、リフォームを機に借り換えをするという方法もあります。

借り換えには手数料などの費用が発生するから…となんとなく同じところで住宅ローンを借り続けてさらにリフォームローンを組むよりは、手数料を払ってでも借り換えたほうが総支払額を下げることが可能かもしれません。

反対に金利の安さを求めている方におすすめできないのが、カードローンやフリーローンです。カードローンやフリーローンは用途は自由ですし、カードローンは手続きもとても簡単ですが、そのぶん金利が高く設定されています。

リフォームという用途が決まっているのであれば、住宅ローンよりも手続きの簡易なリフォームローンを借りたほうが金利は安くなるでしょう。

ただし、金融機関によっては、すでに住宅ローンを借りている場合フリーローンのほうが金利優遇を受けられて金利が安くなる場合もあります。もし、住宅ローンを借りているのならまずは借りている先の金融機関にどちらがおすすめか相談してみましょう。

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固定金利と変動金利ではどちらを選ぶべき

住宅ローンやリフォームローンをみていると、「固定金利」や「変動金利」といった語句が出てきます。住宅ローンやリフォームローンを借りようと思ったけれど、どの金利タイプを選ぶべきかわからないという方もいるのではないでしょうか。
金利のタイプとしては次の3つがあります。

全期間固定金利

契約時に金利が固定されます。さらに期間中はずっと同じ金利が適用されるタイプと、期間の途中で金利が上がる段階金利型というタイプがあります。段階金利型と変動金利がややこしいと思うかもしれませんが、固定金利で段階金利の場合は、契約する時点で上がったあとの金利も何%と決められています。

設定されている金利は変動金利よりもやや高めですが、契約時点で金利がわかっているため具体的な支払額を計算しやすく、返済の計画が立てやすいというメリットがあります。万が一、金利の相場が上昇したときも契約時の金利から上がることもありません。

変動金利

1年に2回金利が見直され、金利相場の変動の影響を受けます。固定金利よりも金利は低く設定されていますが、金利の相場が上昇すればそれにともなって金利が上昇する可能性もあります。

ただし、もし急激な金利の上昇が起こっても救済措置として、毎回の返済額は5年は一定のまま、かつ改定後の返済額は前の返済額の1.25倍以内になるといったルールが決められています。

しかし、5年間に金利上昇が続くと利子が未払いとなり、利子を払うだけで元本が減らず、計画通りの返済が困難になることもあります。

固定金利選択

借入時から一定期間の金利が固定されるタイプです。固定期間が終了すると、その後は変動金利タイプやまた固定金利選択タイプを選ぶことができます。

固定金利にする期間が短いほど金利は安くなりますが、金利が大幅に上昇しても返済額の上限が設定されていないなど変動金利とは異なり救済措置は定められていません。

どのタイプがいいのかは個人の考え方によって変わってくるところですが、たとえばものすごく心配性な人が金利が安いからと変動金利にしてしまって、返済期間中「金利が上がったらどうしよう…」とヒヤヒヤしているのも本意ではないですよね。

それならば固定金利を選んだほうがそうした心配もなく、多少金利は高くても安心して計画的にローンを返済していくことができます。返済期間が長くなる場合は先々の金利が読みにくいこともあって固定金利を選んだほうが安心という考え方もあるでしょう。

反対に、返済までの期間ならよっぽど低金利が続くと予想できるなら変動金利にしたほうが総支払額も抑えられますし、金利が安いぶん貯蓄に回して繰り上げ返済の足しにするという考え方もできるでしょう。

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審査の通りやすさでローンを選ぶなら?

住宅ローンやリフォームローンで審査に通らなかったという方もいるかもしれませんね。特に住宅ローンの審査は厳しいといわれています。リフォームローンであれば住宅ローンよりも審査は易しい傾向があるといわれていますが、それでも通らない方はいらっしゃいます。

住宅ローンやリフォームローンで審査が通らないときはどうしたらよいのでしょうか。ひとつの手段として、金融機関を変えてみるということが挙げられます。

金融機関によっては審査の基準が若干異なっていることも。審査の易しい金融機関を探すポイントのひとつとしては、金利があげられます。

金利は低いほうがいい…と思うかもしれませんが、審査のやさしさにおいては逆です。金利が高いほどその金融機関が貸したお金を回収できないリスクに備えているということであり、リスクに備えているぶんリスクが高い方にも貸しやすいというようにも考えることができます。

もちろん、金利が高いから審査が必ずしも易しく通りやすいというわけではありませんが、目安として金融機関選びの参考にはなるのではないでしょうか。

また、住宅ローンや一部のリフォームローンでは団体信用生命保険への加入を必須条件としている場合があります。もし団体信用生命保険の加入ができなくて審査に落ちてしまっている場合でも金融機関と提携している保険会社が異なれば加入でき、審査に通るということも有り得ますので、提携している保険会社が異なる金融機関に申し込みし直すというのも手です。

それでも通らないという場合は、別の方法でリフォーム費用を借りる方向で考えたほうがよいでしょう。

もし、年齢がネックになっているようであればリバースモーゲージの利用を検討してみるというのもいいでしょうし、健康状態がネックになっていて保険に入っている場合は契約者貸付制度を利用するのもいいと思います。契約者貸付制度は保険の給付金を受給していても利用できる制度なので、健康上の理由で断られることはまずないはずです。

また、住宅ローンやリフォームローンの審査は通らなくてもフリーローンの審査なら通るということもあります。すでに住宅ローンを組んでいたり何かしら取引のある金融機関であればフリーローンの金利を優遇してくれる可能性もあります。

借入金額が少なく、安定した収入があり返せる見通しが立っており、かつ手続きの手軽さも求める方であれば審査がほとんどないカードローンも検討対象になるかもしれませんね。

手続きの手軽さでローンを選ぶなら?

手続きの手軽さでいえば、カードローンが一番お手軽です。もし、リフォームにあたって借りなければならない金額が少額ですぐに返す確実なアテがあるのであれば検討してみてもよいかもしれません。

しかし、あまりに金利が高いのでいくら手軽とはいえ手が出しづらいのではないでしょうか。もう少し手間と時間はかけられるから金利が安いものを求めているなら無担保のリフォームローンがおすすめです。

住宅ローンよりも手続きや契約に必要な書類も少なく、スピーディーに融資を受けることができます。ただ、住宅ローンであっても申し込みがネットですべて完結し、書類への記入や捺印や郵送といった過程がすべて省略できる場合もあります。

住宅ローンやリフォームローンを借りたい方で、忙しくて手続きを少しでも減らすのを優先的に考えている方にもおすすめです。

また、保険を契約していて利用可能であれば契約貸付制度も少ない手続きでお金をかりることができるのでおすすめです。

リフォームローンの選び方「まとめ」

リフォームをするときにお金を借りるなら住宅ローンやリフォームローンを選ぶと金利も比較的安く借りることができるのでおすすめです。できることなら住宅ローンやリフォームローンでリフォーム費用を工面したいところです。

しかし、住宅ローンやリフォームローンの審査が通らない、金利よりも手続きの簡便さで選びたい…と考えている方はフリーローンや契約者貸付制度などを検討するのもよいかもしれません。

また、もうお金を借りるのはムリかも…と諦めかけている中高年の方にはリバースモーゲージという方法もあります。いろいろな借り方の中からベストな方法を選べるといいですね。

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