運転免許の取得費にもマイカーローンは使える?
普通車の運転免許の取得には30万円ほどの費用がかかります。コースや料金体系、教習の進み具合によってはさらにコストがかさむこともあるでしょう。その運転免許取得費を賄うのに、ローンを組むという方は少なくありません。
最も手軽なのは、教習所と提携しているクレジットを利用することですが、選択肢はそれだけではないことをご存知でしょうか。
そのものズバリ運転免許の取得をターゲットにした商品を展開する金融機関があるのはもちろんのこと、運転免許の取得費用に充てられるマイカーローンもあるのです。
ここでは運転免許の取得費に使えるそれぞれのローンの特徴をご紹介していきます。なんとなく提携のクレジットを利用しようと考えている方、このページを読んでから決めても決して遅くはありません。
あなたに最も適していて、最もお得なローンはどれになるのか、ぜひチェックしてみてください。
運転免許の取得費として使えるローン、クレジット
運転免許の取得費として使えるローンにはこれだけの選択肢があります。
・教習所提携のクレジット
・大学生協の運転免許ローン
・銀行のマイカーローン
・銀行の運転免許ローン
・JAバンクのマイカーローン
・消費者金融の目的別ローン
「え、マイカーローンも使えるの?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。では早速、各ローンの特色や利用条件、審査の傾向などを見ていくことにしましょう。
教習所提携のクレジット
運転免許の取得費を教習所指定のクレジットを利用して支払うことができます。「ローンを組む」という言い方をしますが実際には利用者は融資を受けるのではなく、クレジット会社が立て替え払いした代金を分割で返済していくという形になります。
金利は13~14%程度であることがほとんど。クレジット会社(=信販会社)の商品なので、金利は決して低くはありません。
教習所提携のクレジットの最大のメリットは、学生や未成年者でも利用できるというところでしょう。通常、未成年者はローンを組むことができませんが、提携のクレジットであれば、就職や大学進学を控えた高校生が免許を取得するようなケースでも利用することが可能です。
デメリットは、決まった教習費用に対してだけしか使えないという点です。例えば、行き帰りに必要となる交通費などを含めて用立ててもらうことはできません。
含めることが可能な費用の範囲は商品によって異なりますが、基本的には自動車学校に支払うための教習費用に限られると考えて良いでしょう。
審査に関しては、クレジット会社の商品ということで決して「甘い」というわけではありませんが、銀行のローンなどと比べるとかなり柔軟であると言われています。
教習所がよく提携している代表的なクレジットをご紹介します。
エポスカード 運転免許クレジット
エポスの運転免許クレジットは大学生、短大生、専門学校生、来春卒業予定の高校3年生が利用するのに人気の高いクレジットです。
金利は13.2%、1回払いだと無利息ということで、クレジットの中では比較的金利が低い商品。しかも最長6ヶ月間、利息なしで支払い開始月を遅らせることができます。
成人だと保証人は不要ですが、未成年者は親権者の電話での同意が必要。特に利用者が高校3年生の場合には、電話にて主たる生計維持者に収入の確認があります。
オリコ 運転免許クレジットR
オリコ(オリエントコーポレーション)の運転免許クレジットRも教習費用にのみ使える商品です。金利は13.5%。契約自体は自動車学校に入校する前に結びますが、教習の進行状況などによっては利用額を増額することも可能です。
教習所と提携しているクレジット会社は、エポスカード、オリコの他にジャックス、アプラス、セディナなどがあります。
大学生協の運転免許ローン
大学の生協で運転免許ローンを申し込むことができます。利用できるのは大学生協組合員、つまり大学生のみですが、金利は9.0%と教習所提携のクレジットよりもかなり抑えられています。
大学生のためのローンということで、審査は緩め。しかし申し込みには必ず連帯保証人が必要になります。さらには通う教習所が限定されていたり、合宿制しか選べない、人気の高いコースは早いうちに締め切られてしまうなど、必ずしも自分の都合通りに免許が取得できない可能性もあります。
銀行のマイカーローン
銀行のマイカーローンの中には運転免許取得費に利用できるものがあります。銀行のマイカーローンは提携クレジットに比べてかなり金利が低く抑えられているため、できるだけ費用をかけずに免許を取りたい方には第一の選択肢ということになるでしょう。
マイカーローンですので、用途は運転免許の取得にかかる費用に限りません。車に関連した費用をまとめて借りられるので、余裕を持った計画が立てることができます。また、原則として保証人が不要であるのもメリットのひとつだと言えます。
しかし、金利が低い分、審査が厳しいのが銀行のマイカーローンです。前年度収入が200万円以上、正社員としての勤務が3年以上などといった条件をクリアしていないと申し込みすらできないものがあります。
収入が不安定であったり、他社を含めて借り入れが多い方は審査に通らない可能性があります。ローンなどで長期延滞の経験があり、信用情報に傷がある方は、まず審査に通らないと考えたほうがいいでしょう。
銀行のマイカーローンは未成年の方は利用できません。しかし免許を取るのが家族であっても利用できるものがほとんどなので、専業主婦、学生など所得がない、もしくは少ない方がローンを希望する場合には、本人ではなく、世帯主がマイカーローンを組むという手段が使えます。
免許取得費用に使用できるマイカーローンの一部をご紹介します。
住信SBIネット銀行 Mr.自動車ローン
住信SBIネット銀行の「Mr.自動車ローン」は車やバイクの購入のほか、免許取得に際する費用にも利用することができます。Mr.自動車ローンの魅力はなんと言っても年利1.775~3.975%という超低金利を実現している点。
ネットのみで手続きが完結するうえに100万円までは年収証明が不要です。もちろん担保、保証人は必要ありません。
常陽銀行 常陽マイカーローン
常陽マイカーローンも免許取得費用に利用できるローン。こちらも年利1.7~2.3%とかなりの低金利です。ただし利用できる方が茨城県、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県、宮城県、福島県、東京都に勤務している方、お住いになっている方に限られます。
三井住友銀行 マイカーローン
メガバンク三井住友銀行のマイカーローンも免許取得費用に利用することができます。年利は4.475%。担保・保証人は不要です。満65歳以下の成人であることや、前年度税込年収が200万円以上(個人事業主の方は所得金額)であることなどの利用条件があります(年金収入のみの方は利用することができません)。
イオン銀行 自動車ローン
車の購入費用から保険料、税金の支払いにも利用できるイオン銀行の自動車ローン「イオンアシストプラン」。もちろん免許取得費用にも充てることができます。
年利3.8~8.8%の固定金利。自動車ローンの審査に通らない場合には、資金使途に制限のないフリーローン(年利3.8~13.5%)としての審査に切り替わります。
免許取得に利用できないマイカーローンも
このように、金利がとても低い銀行のマイカーローンですが、全てのマイカーローンが免許取得費用に使えるわけではありません。
例えば三菱UFJ銀行の「ネットDEマイカーローン」やりそな銀行の「マイカーローン」は、免許取得費用は用途の対象外。これらの銀行のローンを利用したいのなら、使いみちが自由の「バンクイック」や「りそなカードローン」を利用するということになるでしょう。
こうした使いみちに制限のないカードローンなどはマイカーローンと比べると審査がやや柔軟なのですが、教習所提携のクレジットとほぼ同程度の金利になってしまいます。
今後キャッシングなどを利用する予定がないのなら、あえてカードローンを選ぶ必要はないかもしれません。
銀行の運転免許ローン
一般的なマイカーローンよりもさらにターゲットを絞った運転免許ローンを用意している銀行もあります。運転免許ローンはマイカーローンよりも金利が高くなっていますが、審査は比較的柔軟です。
スルガ銀行 運転免許取得ローン
スルガ銀行の運転免許取得ローン「リザーブドプランプラス」は普通免許・大型免許・二輪免許・二種免許など運転免許取得資金のみに使用できる目的ローンです。年利は9.0~11.0%の固定金利。専業主婦、パート、アルバイトの方でも申し込むことが可能です。
埼玉りそな銀行 りそなプライベートローンJ
埼玉りそな銀行の「りそなプライベートローンJ」は、免許取得全般をサポートするローンです。こちらは金利6.5~14.0%。融資に年収、勤続年数は問われず、パート・アルバイトの方も申し込むことができます。ただし学生の方は申し込みできません。
JAのマイカーローン
JAの中には運転免許の取得費用に利用できるマイカーローンを用意しているところがあります。金利などの融資条件はお住まいの地域の各JAによって異なりますが、年利1.0~4.0%程度とかなりの低金利を実現しています。
JAは必ずしも農家でなければ利用できないというわけではありません。1口1,000円の出資金を支払えば、准組合員となりほとんどのサービスを利用することが可能です。
またJAによっては組合員外でも利用できるマイカーローンを展開していますが、組合員になると0.1%、さらにJA自動車共済に入会していると(または入会すると)0.2%金利が優遇されるといった「差」をつけているところもあります。
消費者金融の目的別ローン
銀行のマイカーローンは厳しい、または教習所提携のクレジットの審査に通らなかったという場合には、比較的審査が柔軟な消費者金融の目的別ローンを利用するという手段があります。
大手の消費者金融では、
・プロミス 目的ローン(金利6.3~16.5%)
・アイフル 目的別ローン(金利13.0~17.0%)
の2社が免許取得の際に利用できる目的別ローンを展開しています。
が、小口融資である免許取得費用であれば上限に近い金利が採用されると考えられるため、他の金融機関のローンと比較すると高めであることは否めません。
そして通常のカードローン、キャッシングローンであれば目的別ローンよりも審査に通りやすくはなりますが、上限金利はプロミスが17.8%、他の大手消費者金融は18.0%とさらに高くなってしまいます。
ですので、消費者金融で借りるのなら、本当に必要な分だけに留めておくのが重要。「全額を借りるのではなく、あと少し足りない分だけを借りる」など、後々無理が出ないような返済計画を立てるようにしてください。
運転免許取得費とマイカーローン「おわりに」
これまでご紹介してきた各ローンを、30万円程度の融資を想定して金利の低い順に並べると次のようになります。
銀行・JAのマイカーローン(~5.0%程度)
大学生協の免許取得ローン(9.0%)
銀行の運転免許ローン(~14.0%程度)
教習所提携クレジット(~14.0%程度)
銀行のカードローン(~15.0%程度)
消費者金融の目的別ローン・カードローン(~18.0%程度)
このうち学生ローンに関しては、連帯保証人を必要とするために審査が比較的柔軟になってはいるのですが、それ以外では一般的に、金利が低くなれば低くなるほど審査の厳しさが増し、制約も多くなる傾向にあります。
しかしこうしてみればわかるように、教習所の提携クレジットは決して低金利であるとは言えません。何も考えずに契約してしまうと損をしてしまう可能性が多分にあるわけです。
審査の基準はオープンにされているわけではありませんので「申し込んでみなければわからない」のが難しいところですが、ぜひ提携クレジット以外の選択肢も視野に入れながら検討することをお勧めします。