フラット35の選び方
フラット35は様々な金融機関で取り扱いを行っていますが、同じフラット35でも、窓口が違うと金利や手数料が変わってきます。
また、たいていは「フラット35の買取型 ※1」を採用していますが、一部の金融機関では、「フラット35の保証型 ※2」を採用しています。
「フラット35の保証型」の場合は、手数料や金利だけではなく、繰り上げ返済の手数料や団信特約料も違ってきてしまうのです。
出来ることなら、利息も手数料も安く、かつ利用しやすい窓口から借り入れしたいものですね。
そこで今回は、フラット35を選択する際にチェックするべき点についてお話していきたいと思います。
※1 フラット35買取型とは・・・金融機関がフラット35の融資を行った後、その債権を住宅金融支援機構が買い取る仕組みのことです。
※2 フラット35保証型とは・・・金融機関がフラット35の融資を行い、債務者が支払えなくなった時、金融機関に対して住宅金融支援機構が保険金を支払う仕組みのことです。
フラット35を選ぶ際にチェックするべき点
①フラット35の金利
フラット35の金利は、住宅金融支援機構が定める金利幅の中から、窓口となる金融機関がそれぞれ決定していきます。
たいていは、住宅金融支援機構で定めている金利幅の中の下限金利を適用する傾向にありますが、全ての金融機関が同じ金利を適用しているとは限らないため、まずは金利をチェックしてみましょう。
金利が高いと、借入額が高額になるほど総支払額も増えてしまうので、例え0.1%でも低いに越したことはありません。
②融資手数料(事務手数料)
フラット35の融資手数料は、窓口となる金融機関によって違ってきます。もしかすると金利を低く抑えている分、融資手数料を高めに設定しているかもしれないので、フラット35を申し込む前に金利と併せて融資手数料もチェックしてください。
金利が若干高めでも、融資手数料がとても低く設定されていることもあるので、見比べる時にはシミュレーションで返済額を算出したのち、総支払額を出して、融資手数料をプラスしてみるといいでしょう。
もしくは、融資手数料を金利に上乗せという形で回収する仕組みの場合は、上乗せ金利での月々の返済額をシミュレーションで出してみると総支払額がわかりますね。
総支払額がなるべく少なくなる方を選択するとお得です。
③繰り上げ返済手数料
フラット35の場合、繰上げ返済の手数料は一切かかりません。しかし、「フラット35 保証型」を採用している金融機関では、繰り上げ返済手数料がかかる場合があります。
「フラット35 保証型」というのは、住宅金融支援機構が債権を買い取る仕組みの通常のフラット35(買取型)とは違い、住宅金融支援機構が保険をつけ、万が一返済不能となった場合は住宅金融支援機構が金融機関に保険金を支払う仕組みです。
債権そのものは金融機関にあるため、フラット35ではあるものの、金融機関が提供する住宅ローンという位置づけになるのです。
そのため、フラット35保証型を採用している場合は、金利や手数料の他、繰り上げ返済の手数料などもそれぞれの金融機関が自由に定めることができます。
今現在、フラット35保証型を採用しているのは、ARUHI、日本住宅ローン、財形住宅金融、広島銀行になります。これらの金融機関でフラット35の申し込みを行う場合は、繰り上げ返済手数料にも注目してみましょう。
④団体信用生命保険
団体信用生命保険の特約料も、フラット35の場合は基本的には同じになるのですが、「フラット35 保証型」を採用している金融機関で申し込みをする場合は違ってきます。
この場合は、「新機構団信(※)」を利用することが出来ないからです。
「フラット35 保証型」の場合は、機構の団信ではなくそれぞれの金融機関の提供する団体信用生命保険に加入することになるため、どこを窓口にするかにより、支払方法や保険料が変わってきます。
ARUHI、日本住宅ローン、財形住宅金融、広島銀行いずれかの金融機関からフラット35の契約をする場合は、繰り上げ返済手数料と併せて、団信特約料についてもチェックしておきましょう。
また金融機関によっては、団信に様々な特約をプラスできる場合があります。プラスすることで特約料も高くなってしまいますが、充実した保障を求めている場合はそのような団信が利用出来る金融機関を選択したほうが安心ですね。
※新機構団信とは
平成29年10月から機構団信はリニューアルされました。リニューアル後の機構団信は新機構団信と呼ばれています。
平成29年9月までの申し込み分には、保険料を年払いする方法をとっていた旧機構団信が適用されていましたが、平成29年10月以降の申し込み分には、住宅ローンの金利に0.28%上乗せという形で保険料の支払いが可能になる新機構団信が適用されています。
年払いの時は、毎年高額な保険料をまとめて支払わなければならなかったため、負担が大きかったのですが、金利上乗せ型となったことで、月々少しずつ支払っていくことが出来るため、負担が軽減されました。
支払い方法が変わっただけではなく、保障内容も充実したものとなり、以前より利用しやすいものとなっています。
旧機構団信から新機構団信へ変更手続きはできないのですが、フラット35借り換え融資を利用すると変更が可能な場合もあります。ただし、審査の結果利用できない場合もあるため、絶対に可能とは言い切れません。
⑤利用しやすさ
住宅ローンは長く続くものなので、どんなに金利や手数料が安くても、窓口となる金融機関に対し利用しづらさを感じるようでは困りますね。
例えば、家の近くに店舗やATMがない場合、今後不便を感じることが多いのではないでしょうか。
近所に店舗がないと、疑問や不安があっても気軽に相談しに行くことが出来ませんね。また、近くに窓口となる金融機関のATMがないと、毎月返済のために振り込みしなければならないという手間がかかるかもしれません。
さらに振込手数料もかかると、月々の負担額はもっと増えてしまいますね。
もちろん、家の近くに店舗がなくても、勤務先から近かったり、よく行く実家の近くにATMがある、車があるから遠くても不便を感じないという方もいると思いますので、今後勤務先が変わる可能性や退職時期、自分の行動範囲等を考えながら、今もこれからも利用しやすいと感じる金融機関を選択するといいでしょう。
また、以前から付き合いのある金融機関の場合は、金利や手数料を優遇してくれる場合もあるので、優遇についてもチェックしてみるといいでしょう。
フラット35の比較
フラット35を選ぶ際のチェックポイントを踏まえた上で、実際にフラット35を比較してみましょう。
人気のある金融機関のフラット35についてまとめてみたので、見比べてみてください。
住宅ローン専門金融機関 ARUHI 住宅ローン
①ARUHI スーパーフラット8(フラット35 保証型)
金利(2018年8月実行) | 団信加入 1.240% 団信不加入 0.960% |
団信 | ARUHI団体信用生命保険を利用 |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
事務手数料 | 融資金額の2.0%(最低事務手数料 200,000円) 融資金額×1.0%(WEBからの事前申込の場合) |
②ARUHI フラット35
金利(2018年8月実行) | ・団信加入 15年~20年 1.290%(9割以下) 21年~35年 1.340%(9割以下) ・団信不加入 |
団信 | 機構団体信用生命保険を利用 |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
事務手数料 | 融資金額の2.0%(最低事務手数料 200,000円) 融資金額×1.0%(WEBからの事前申込の場合) |
<特徴>
・WEBから事前申し込みをするだけで、事務手数料が1.0%割引となります。
・一部の諸費用(事務手数料や不動産仲介手数料など)を借り入れできる場合があります。
・通常のフラット35の他に、フラット35保証型であるARUHI独自のスーパーフラットも提供しています。
・団信に8大疫病保障特約や失業保障特約等をプラスさせることが出来ます。
・ARUHIの専用火災保険も利用可能です。
※ARUHI住宅ローン公式サイト
※ARUHI住宅ローン金利
優良住宅ローン フラット35
金利(2018年8月実行) | ・団信加入 15年~20年 1.290%(9割以下) 21年~35年 1.340%(9割以下) ・団信不加入 |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
事務手数料 | 融資金額の0.5%(最低事務手数料 108,000円)※住宅性能評価物件の場合 融資金額の0.8%(最低事務手数料 108,000円)※その他の物件の場合 |
<特徴>
・金利だけではなく、融資手数料も業界最低水準です。総支払額で考えるとお得になります。
・WEBで事前審査を行うことが出来ます。
・日本全国対応可能になります。
楽天銀行 フラット35
金利(2018年8月実行) | ・団信加入 15年~20年 1.290%(9割以下) 21年~35年 1.340%(9割以下) ・団信不加入 |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
事務手数料 | 借入額×1.08%(最低金額は108,000円)※返済口座が楽天銀行の場合 借入額×1.404% ※返済口座が楽天銀行以外の場合 |
<特徴>
・ネット銀行なので、申し込みから借り入れまでWEBや郵送で可能になります。来店不要なので自宅に居ながら手続きを進めることが出来ます。
・ハッピープログラムに登録し、返済口座を楽天銀行に設定した場合、ATM手数料が月7回まで無料になります。(他行振込手数料は月3回まで無料)
三井住友信託銀行 フラット35
金利(2018年8月実行) | ・団信加入 手数料定率コース 15年~20年 1.290%(9割以下) 手数料定率コース 21年~35年 1.340%(9割以下) 手数料無料コース 15年~20年 1.430%(9割以下) 手数料無料コース 21年~35年 1.480%(9割以下) ・団信不加入 手数料定率コース 15年~20年 1.090%(9割以下) 手数料定率コース 21年~35年 1.140%(9割以下) 手数料無料コース 15年~20年 1.230%(9割以下) 手数料無料コース 21年~35年 1.280%(9割以下) |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
事務手数料 | 定率コース 借入額×0.972%(最低金額は162,000円) 無料コース 借入金利高め |
<特徴>
・事務手数料は、借入金額に手数料分上乗せされる定率コースか、手数料は無料ではあるものの金利が高めになる無料コースかを選択することができます。
イオン銀行 フラット35
金利(2018年8月実行) | <団信加入> Aタイプ(定率) 15年~20年 1.290%(9割以下) 21年~35年 1.340%(9割以下) Bタイプ(定額) <団信不加入> Bタイプ(定額) |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
事務手数料 | Aタイプ(定率) 融資額×1.836%(最低融資手数料 108,000円) Bタイプ(定額) 54,000円 |
<特徴>
・イオン銀行でフラット35の契約をすると、イオングループでの買い物がいつでも5%オフになります。
りそな銀行 フラット35
金利(2018年8月実行) | ・団信加入 15年~20年 1.290%(9割以下) 21年~35年 1.340%(9割以下) ・団信不加入 |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
融資手数料 | 借入金額の1.836% |
<特徴>
・頭金を用意できない場合、フラット35で9割まで借り入れして、残りの1割分を借り入れできるという「すまい・るパッケージ(フラット35)」が用意されています。自己資金が不十分でもフラット35の申し込みができるのは安心ですね。
・りそな銀行でフラット35の契約をすると、りそなクラブポイントももらえるのでお得です。
・土日でも住宅ローン相談プラザで手続き可能です。
住信SBIネット銀行 フラット35
金利(2018年8月実行) | ・団信加入 15年~20年 1.290%(9割以下) 21年~35年 1.340%(9割以下) ・団信不加入 |
保証料 | 0円 |
繰り上げ返済手数料 | 0円 |
事務手数料 | 借入額の2.0%(最低事務手数料は100,000円) |
<特徴>
・手数料無料で、全ての病気やけがを保障する全疫病保障を付帯させることが出来ます。・来店しなくても手続きを完了させることが出来ます。
・頭金を用意できなくても、ミスターパッケージローンで9割を超える部分を借り入れすることが出来ます。ミスターパッケージローンも、保証料不要・一部繰り上げ返済手数料無料となっています。金利は変動か2年固定か35年固定の中から選択可能です。
こうして各金融機関のフラット35を見てみると、やはり金利はどこも住宅金融支援機構で定めている下限金利を適用しているようですね。
ただ、金利が変わらなくても、融資手数料は違ってきます。ここで挙げた金融機関で比べると、優良住宅ローンのフラット35の融資手数料が一番安くなっているようです。
この他にも、地方銀行でもフラット35を申し込むことが出来るので、利用しやすい金融機関を絞ってからフラット35の金利や手数料を比較して選んでいくといいかもしれませんね。