住宅ローン審査完了までの日数・期間
住宅ローンの審査は、2回行われることが多く、1回目が申し込む前に行われる「事前審査」で、それを通過することができれば、2回目の本格的な本審査が行われます。
これらの住宅ローン審査はどれくらいの日数・期間がかかるのでしょう?
事前審査と本審査に分けて解説します。
住宅ローンの事前審査にかかる日数・期間
金融機関によって、必要な日数は違ってきますが、たいていの住宅ローンの事前審査は3営業日~5営業日程度かかります。
住宅ローンの事前審査は仮審査とも呼ばれているため、本審査よりも短い期間で終了する場合がほとんどです。
しかし、以下の場合、通常よりも審査に時間がかかることもあります。
・契約社員、派遣社員、自営業など、不安定な職種の場合
・住宅ローンの他に、他社からの借り入れが複数ある場合
・勤続年数が短い、転職して間もない等の場合
・持病がある場合
・本部から追加書類の提出を求められた場合(本店と支店でやり取りしながら審査を行う金融機関の場合)
住宅ローンの事前審査をスムーズに進めるためには
住宅ローンの事前審査の申し込みをすると、結果が出るまでソワソワしてしまいますね。できれば早い段階で良い結果を聞いて安心したいものです。
そこで、住宅ローンの事前審査をスムーズに進めるコツをいくつか紹介します。
①他社からの借り入れを減らす
カードローンやクレジットカードのリボ払い、車のローン、キャッシングなど、他社からの借り入れが複数ある場合は、可能な限り返済する努力をしたいですね。
借り入れが複数あると住宅ローンの審査に時間がかかってしまいますし、最悪の場合、通過できなくなってしまうことがあるからです。
また、審査に通過することが出来たとしても、今後は今までの借り入れに対する返済の他に住宅ローンの返済が上乗せされるため、月々の支払いも苦しくなってしまうかもしれません。
自分の今後のためにも借り入れはなるべく少なくしておいた方が安心でしょう。
さらに、もし他社の借り入れに対する返済を3か月以上滞ってしまった等の過去がある場合は住宅ローンの審査に通過することが難しくなってしまいます。
この場合は金融機関同士で共有している個人信用情報に事故記録として記載されているかもしれないからです。
個人信用情報に事故記録が載ってしまうと、新たな借り入れはできませんし、5年~10年待たなければその記録を消すことも出来ません。
不安な方は、自分の個人信用情報を開示して確認してみるといいかもしれませんね。
②借り入れ希望額の調整
年収に対しての借り入れ希望額が妥当かどうかをシッカリ考えてみましょう。次の式に当てはめて返済比率を計算してみてもいいかもしれませんね。
「返済比率=年間返済額÷年収×100」
もしも、年収に対して借り入れ希望額が多すぎ、返済比率も高くなってしまう場合は、審査が難航してしまいます。
審査をスムーズに進めるためには、金融機関で提示している返済比率を上回らないよう、頭金を増やすなどして借入額を調整してみましょう。
③必要書類を滞りなく準備
必要書類を提出しても、誤字脱字があったり、書類が不足しているなどの不備があった場合、再度来店したり郵送でやり取りするなどの手間が発生してしまいますね。するとその分時間がかかってしまいます。
必要書類はしっかりと用意し、誤字脱字、捺印漏れなどがないか確認しておきましょう。
さらに自営業等、住宅ローン審査が難しくなりそうな職種の場合は、後から追加書類の依頼がないよう、指示されていなくても必要だと思われる書類をあらかじめ用意しておくことで、スムーズに審査が進められるかもしれません。
④勤続年数により申し込み先を検討
勤続年数が1年未満の場合、銀行の住宅ローン審査に通過するのが難しくなってしまいます。また、審査にも時間がかかってしまうかもしれません。
しかし、フラット35であれば、勤続年数が1年未満でも、取得する住宅が住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしていると利用することが出来ます。
勤続年数に不安がある場合は、フラット35の申し込みを検討してみるといいかもしれませんね。
また、以下のような場合だと勤続年数が短くても銀行の審査に通過できることもあります。
・公務員など安定した職種の場合
・看護師や保育士等、資格のある仕事で、前の職場と今の職場の仕事内容が同じ場合
・前の職場よりも年収がアップしている場合
⑤健康状態により申し込み先を検討
健康状態が悪いと、入院によって一時的に収入が減少したり、働けなくなってしまうことも考えられますね。すると住宅ローンを組んでも返済が困難になってしまいます。
また、団体信用生命保険に加入することが義務付けられている銀行がほとんどなので、持病により団体信用生命保険に加入できないとローンの審査に通過することが出来ません。
そのため、健康であることが大原則です。
もし、持病がある等の場合は、こちらもフラット35の申し込みを検討してみるといいかもしれません。フラット35の場合は団体信用生命保険の加入は任意となっているため、保険に加入できなくても住宅ローン申し込みが出来ます。
住宅ローンの事前審査がない金融機関
住宅ローンの審査に時間をかけたくない場合は、事前審査がない金融機関を選ぶといいかもしれません。
ネット銀行の「SBI新生銀行」は、事前審査そのものがありません。そのため、すぐに本審査に進むことが出来ます。2回の審査を1回に減らすことが出来るので、手間も省けますね。
また、ソニー銀行は、事前審査の書類提出が不要で、審査にかかる時間も最短60分と言われています。
この他にも、イオン銀行や楽天銀行でも、住宅ローン事前審査の書類提出は不要となっています。
このようなネット銀行に申し込みをすると、スムーズに住宅ローンの本審査に進むことが出来そうですね。
ただし、ネット銀行だからと言って審査が緩いかというとそうではないため、自分の収入や雇用形態、頭金の額などを考えたうえで、通過できそうな金融機関を選択することも大切です。
住宅ローン本審査にかかる日数・期間
住宅ローンの本審査にかかる日数も金融機関によって違ってきますが、たいてい2週間~3週間程度かかります。
ただし、事前審査の時と申し込み内容に変わりがない場合は審査そのものにかかる時間は短く、実際には団体信用生命保険の加入手続きや本店と支店との書類のやり取り、保証会社の承認を得るためや金融機関内での決済などに時間がかかっているのです。
住宅ローン事前審査でスムーズに通過できた場合は、本審査で落とされることはほとんどないと考えてもいいため、安心して連絡が来るのを待ちましょう。
しかし、事前審査に時間がかかったり、追加書類を依頼された等の場合は、本審査も時間がかかるかもしれません。また、事前審査の時と申し込み内容が変わってしまった場合も、審査に時間がかかってしまいます。
住宅ローンの本審査をスムーズに進めるためには
住宅ローンの本審査をスムーズに進めたい場合、一番大切なことは、事前審査で書類を提出した時の申し込み内容から変更しないことです。
借り入れ希望額を変更する、収入合算者を追加する等、事前審査を依頼した時から申し込み内容が違ってくると、また新たな審査が必要になってきてしまうため、時間がかかってしまいますね。
当然スムーズな審査は期待できないでしょう。
後から変更することのないよう、住宅ローンの事前審査を依頼する前にしっかりと検討しておくことが大切です。
また、住宅ローンの本審査では事前審査でチェックした内容の他に、取得する物件に対する審査も慎重に行われます。
特に担保物件の評価額が低い場合、審査に時間がかかったり、場合によって本審査に通過できなくなってしまうことも考えられるでしょう。
借り入れ対象の物件は、金融機関にとっては担保物件となりますね。
万が一ローンを組んだ本人の返済が困難になってしまった場合、担保物件を売却することで貸し出したお金を回収することになります。しかし物件の評価額が低いと、売却したくても希望の額で売却できずローンを回収することが出来なくなってしまいますね。
そのため、担保物件の評価額が低い場合は審査にも時間がかかりますし、場合によって通過できないこともあるのです。
ただし、住宅ローンの本審査が長引いている場合や、追加書類を依頼される場合は、逆に良い傾向とも言えます。
「時間がかかるから困る」と思うかもしれませんが、住宅ローンの審査に時間をかけているということは、通過する可能性があるととらえることもできるからです。
もちろん、短期間でスムーズに審査に通過することが一番良いことではありますが、金融機関が「絶対に無理だ」と判断されるような状況の場合もまた、早い段階で不合格の連絡をするはずです。
しかし、不合格の連絡もなく、住宅ローンの審査が長引き、さらに追加書類の依頼まであるということは、「追加書類で何とか審査に通過できるかもしれない」という希望があるからなのです。
金融機関の担当者はなんとか通過できるよう努力している段階なのでしょう。ですから、追加書類が依頼された場合は速やかに準備して提出するようにしましょう。
住宅ローンの本審査は「早く終わらせること」ではなく、「通過すること」を目標に、金融機関からの連絡を待つことが大切ですね。
ただし、金融機関の担当の方が忙しく、申し込みを後回しにしていることで時間がかかっている場合もあり、その場合は無駄に時間を過ごすことになってしまいます。
そのため、10日以上経過しても何の連絡もない場合は、金融機関の担当の方に電話を入れてみるのもいいかもしれません。
住宅ローン事前審査と本審査にかかる日数・期間
住宅ローンの事前審査と本審査を合わせると、早い場合でも10営業日以上かかり、長い場合だと1か月以上かかってしまうことも十分考えられます。
ただし、借入額、返済比率、担保物件の評価、属性、他社の借り入れなどに問題がなければスムーズに進むはずなので、これらの点で不安な部分がないか、再度自分でもチェックしておきましょう。
また、以下のように審査に臨む前の準備によって、審査時間を短縮させることも可能になります。
・記入した内容、誤字脱字チェック。
・追加書類を依頼された場合は速やかに準備、郵送。
・途中で申し込み内容を変更しないこと。