持病がある人は住宅ローン審査が不利になる?

銀行の住宅ローンの審査では、申し込み者の健康状態についてもチェックします。住宅ローンを組む場合は、同時に団体信用生命保険に加入することを義務付けているからです。

そのため、持病がある場合は少なからず審査に影響を及ぼしてしまうでしょう。持病によって保険に加入できない可能性が高いからです。

しかし、持病がある方は住宅ローンの審査に通過出来ないかというと、そうではありません。病気の種類や病状などによっては、問題なく団体信用生命保険に加入できることがありますし、保険加入が可能であれば審査に通過することも可能になります。

今回は、持病がある方の住宅ローン審査について詳しく解説します。

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団体信用生命保険とは

団体信用生命保険というのは、住宅ローンを組んだ方が死亡もしくは高度障害状態となってしまい、住宅ローンの返済ができなくなってしまった時に、保険金によって住宅ローンを完済させるための生命保険になります。

保険金で完済させることが出来ると、家族に返済負担を残すことがありませんし、銀行側も申し込み本人が返済できない状態になったとしても貸したお金を回収できるため、申し込み者と銀行のお互いにとって安心を与える保険でもあるのです。

そのため銀行では、住宅ローンを利用する際に、団体信用生命保険の加入を義務づけているのです。

逆に言うと、団体信用生命保険に加入できない方は、民間の住宅ローンでお金借りることができないということになります。

つまり、「健康であること」は、住宅ローンを組む上で重要な条件でもあるのです。

しかし、持病がある方はローンをあきらめなければならないのかというとそうではありません。

持病があったとしても、以下のような場合は住宅ローンを組むことが可能になります。

①持病があるけれど、団体信用生命保険を引き受ける保険会社が「引き受けできる」と判断した場合

②団体信用生命保険の加入を任意としている住宅ローンの申し込みをした場合

③ワイド団信(緩和型保険)を利用した場合

では、①から順に詳しく見ていきましょう。

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①保険会社に「引き受けできる」と判断してもらう

保険に加入するためには、団体信用生命保険を引き受ける保険会社に「引き受けできる」と判断してもらう必要がありますね。では持病があるのに、引き受け可能と判断してもらうにはどうしたらよいのでしょう?

まずは、一般的な団体信用生命保険の告知書とはどのようになっているのか、見ていきましょう。

告知項目は、引き受ける保険会社によって異なりますが、たいていは以下の様になっています。

<告知項目>

▼最近3か月以内に医師の治療(診察、検査、指示、指導等も含め)、投薬を受けたことがあるか。

▼過去3年以内に下記の病気で手術を受けたこと、もしくは2週間以上にわたり医師の治療(診察、検査、指示、指導なども含め)、投薬を受けたことがあるか。

心臓・血圧・・・狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他の心臓病

脳・・・脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)、脳動脈硬化症、その他の脳の病気

精神・神経・・・精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症

肺・気管支・・・喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症

胃・腸・すい臓・・・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病

肝臓・・・肝炎、肝硬変、肝機能障害

腎臓・・・腎炎、ネフローゼ、腎不全

目・・・緑内障、網膜の病気、角膜の病気

ガン、腫瘍・・・ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ

その他・・・糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病、子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣嚢腫

▼手足の欠損、もしくは機能に障害があるか。または背骨(脊柱)、視力、聴力、言語、そしゃく機能に障害があるか。

これら3つの項目について、「はい」か「いいえ」で回答していきます。

もしひとつでも「はい」があれば、その病気やけがの名前、治療や投薬の時期、入院の有無や時期、手術の有無や時期、症状経過など、病状の詳細について記入が必要となるでしょう。

ただし、見てわかるように他の生命保険と比べて告知項目は少なくなっていますね。この項目の少なさが団体信用生命保険の特徴とも言えます。

告知項目が少ないと、持病があっても該当しないケースも増えるため、比較的加入しやすい保険と言えるでしょう。

また、「はい」と回答する箇所があると、「いいえ」だけの方よりも加入できる可能性は低くなってしまいますが、その後の対応によっては加入できる場合もあります。

「はい」と回答した場合、以下の様な点に注意することが大切です。

病状の詳細をシッカリ告知

3か月以内に風邪で治療を受けた場合や、腰痛で整骨院に通った場合などでも、①の質問に対しては「はい」と回答しなければなりませんね。

この時、病状の詳細を伝え、完治したことがわかれば保険に加入するのは可能でしょう。

しかし、「大した病気ではないから」「面倒だから」等の理由から詳細を記入しないと、病状がわからないために審査に時間がかかったり、不合格とされてしまうことがあるのです。

保険会社ではリスクを避けるため、詳細のわからない病気の場合、その病気の中で最も重い症状であると仮定して診断してしまいます。実際は軽い症状だとしても、「重い」と仮定した場合の診断結果を出すため、詳細がないだけで加入するのが難しくなってしまうのです。

軽い病気なのであればなおさら、しっかりと通院状況や飲み薬、薬の種類や回数など、詳しく申告するようにしましょう。

もちろん、持病があるのに「いいえ」と申告したり、深刻な病状を記入しないことで保険に加入できる場合もありますが、後から嘘の申告をしたことがわかると、契約解除となったり、支払われるべき時に保険金が支払われなくなってしまうこともあるのです。

保険に加入することが出来ても、保険金が下りないのであれば意味がありませんね。

まずは嘘偽りのない申告をして、詳しい病状をしっかりと伝え、保険会社の判断を仰ぐことが大切です。

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病状・病名を把握

自分のことは自分が一番よくわかっていると思っているかもしれませんが、実は病名を間違って把握していたり、病状をシッカリ理解していないということも多いのです。

告知書に「はい」と記載してしまったけれど、実際に医師に確認すると違う病名で、告知する必要のないものだったというケースもあります。

この場合、本来なら問題なく加入できたはずなのに、しっかりと病気について把握できていなかったために保険に加入できなくなってしまいます。

この様な間違いが起こらないためにも、しっかりと医師に確認し、病名や病状について把握したうえで告知書の記入をしましょう。

告知項目期間を過ぎてから申し込み

告知書では、「最近3か月以内に医師の治療」「過去3年以内に下記の病気」「2週間以上にわたり医師の治療」などと、一定期間内の病気について告知するようになっています。

保険会社によって告知するべき期間は違ってくるのですが、例えば、最近3か月以内・過去3年以内の病気に関して告知するという場合は、病気をしてから3か月もしくは3年を超えてからローンの申し込みをすると、告知する必要がなくなりますね。

ですから、申し込みをする予定がある場合は、申し込む予定の金融機関から団信の告知書を先に見せてもらうといいでしょう。どれくらいの期間さかのぼって告知するべきなのかがわかれば、その期間が過ぎるのを待って申し込みをすると安全です。

もし病気になってから一定期間を過ぎていて、完治している場合、がん等の重い病気だったとしても告知の必要はなくなるのです。

もちろん、一定期間を過ぎていても、今現在も通院中で治療の最中だという場合は告知しなければなりませんが、完治しているのであれば、あえて触れる必要はありませんね。

また、治療中でも完治に近づいている場合や確実な治癒が期待できる場合等は「はい」と回答していても加入できることもあるので、正直に詳しい病状を伝えるようにしましょう。

住宅ローンを申し込む金融機関(保険会社)を変える

住宅ローンの申し込みをしたけれど、団信に加入できなかったために審査に通過できなかったという場合、そこで住宅ローンを組むのをあきらめる必要はありません。

同じ団信でも、引き受ける保険会社によって診断結果は異なるからです。A保険会社では不可でも、B保険会社ではギリギリOKという場合もあります。

ですから、申し込む金融機関を変えて、もう一度団信の申し込みに挑戦してみましょう。

ただし、別の金融機関でも、団信の引き受け保険会社が同じということもあります。引き受ける保険会社が同じだと、いくら申し込む場所を変えても結果は同じになってしまうので、必ず引き受ける保険会社が違う金融機関を探し、申し込むようにしましょう。

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②団体信用生命保険の加入が任意の住宅ローン申し込み

持病があり、保険に加入するのが難しいと判断される場合は、団体信用生命保険の加入を任意としている住宅ローンの申し込みをするといいでしょう。

住宅金融支援機構のフラット35であれば、団信の加入は任意となっています。任意であれば、保険に加入してもしなくてもローンを組むことが出来るのです。

団信加入が任意のフラット35であれば、持病があっても安心ですね。

ただし、団信に加入しないということは、申し込み者が死亡もしくは高度障害状態となったとき、家族に債務を引き継ぐこととなってしまいます。

家族にとっては大きな負担となってしまうかもしれません。

そのようなリスクも理解した上で、団信なしの住宅ローンを申し込む必要があります。

もしくは、団信以外の、持病があっても入れる保険を探し、そのような保険に加入して万が一の時のために備えておくことも大切です。

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③ワイド団信を利用

ここ最近はメガバンクや地方銀行などで「ワイド団信」というものを取り扱い始めています。

ワイド団信というのは、通常の団信と内容は変わらないのですが、査定基準を緩く広く(ワイドに)設定したものになります。査定基準が緩いことから「引き受け緩和型」とも呼ばれています。

このようなワイド団信であれば、通常の団信では不可としている病気があっても加入できる可能性が高まります。

ただし、ワイド団信を利用する場合は、住宅ローンの適用金利に0.2%~0.3%程度上乗せされた金利が設定されることになります。これにより、月々の返済負担は増えてしまうでしょう。

また、申し込み年齢の上限を51歳と設定しているケースもあります。上限を超えて住宅ローンの申し込みをする場合、ワイド団信の加入が出来ないことで審査に通過できなくなってしまうので、年齢で引っかかってしまいそうな方は、保険の申し込み上限年齢もチェックしておく必要があります。

さらにワイド団信を取り扱っている金融機関も多いわけではないので、申し込む場所も限られてきてしまいますね。

ワイド団信を取り扱っているのは、以下の様な金融機関になります。

・三菱UFJ銀行
・りそな銀行
・じぶん銀行
・ソニー銀行
・イオン銀行
・千葉銀行
・みずほ銀行
・北洋銀行

など。

これらの中から、審査に通過しやすく利用しやすい金融機関を選択しなければならないと考えると、選択肢が少なく感じられますね。

これらのようなデメリットも理解したうえで、ワイド団信を利用するべきかどうか、検討してみましょう。

<まとめ>
この様に、持病があっても利用できる団体信用生命保険もありますし、保険に加入できなくても申し込み可能な住宅ローンもあるので、持病によって住宅取得をあきらめなければならないという事はありません。

もし共働きの場合、健康な妻名義でローンの申し込みをすることも可能ですし、他の審査項目をクリアできている場合、交渉しだいでは連帯保証人を立てることで保険未加入でもOKとしてくれるケースもあるのです。

持病があっても住宅ローンを組む方法はたくさん存在しているので、申し込む金融機関を絞ったら、まずは事前審査の依頼をしてみましょう。

ただし、団信の申し込みをする場合、金融機関の担当者に「このような持病でも加入できるか」などと質問する方がいますが、実際に加入できるかどうか判断を下すのは引き受ける保険会社です。

金融機関の担当者は憶測でしか回答することはできないので、金融機関担当者が「大丈夫だろう」と言ってもどうなるかは分かりません。どうなるかは、保険会社からの回答を待ちましょう。

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