勤務先の会社が小さいと住宅ローンの審査が不利?

住宅ローンの審査でチェックされる項目や、勤務先の会社の規模が住宅ローンの審査にどう関わってくるのか、などについて解説します。


住宅ローン審査のチェック項目

銀行の住宅ローン審査では、申し込み本人について以下の様な点をチェックしています。
・年齢
・職業
・年収
・健康状態
・借り入れ状況
・過去の返済状況
・年収に対しての借入額の割合

など。

これらの項目を全てチェックして、申し込み本人に返済能力があるかどうかを確認しているのです。

中でも年齢や年収、健康状態などについては、どの金融機関も重点項目として必ずチェックしています。

しかし、重点項目だけクリアしていれば大丈夫というわけではありません。その他の項目も住宅ローン審査においてはとても重要な判断材料となるため、どの条件も可能な限り満たしておきたいものです。

今回は勤務先の会社が小さいと審査に不利になるかどうかを調べたいため、これらの項目の中の「職業」に焦点を当ててみたいと思います。

住宅ローン審査項目「職業」について

職業に関して審査する際、チェックされるのは以下の様な点になります。

・勤務先の会社名
・会社の規模
・雇用形態
・職種
・部署
・役職
・会社の実績、業績

正社員であれば大丈夫と思っている方も多いかもしれませんが、勤めている会社の経営が危ういと収入減の危険性もありますし、場合によって倒産したり、リストラに合ってしまうということも考えられますね。

また、倒産の危険性は、一般的に会社の規模が小さければ小さいほど高い傾向にあると考えられています。

金融機関としては確実な回収が見込めない方には融資できないため、業績はもちろんのこと、会社の規模までもチェックして、今後も安定したお給料がもらえる会社に勤めているのかどうかを確認しているのです。

勤め先の会社の調査方法

勤務先や部署などは、申し込み本人が記入した申し込み書から確認することが出来ますが、それ以外の会社の規模や業績などはどのように確認されているのでしょうか?

確認方法は金融機関によって違ってきますが、たいていは以下のような手段で、信頼出来る会社に勤めているのかどうかをチェックしています。

・帝国データバンク
帝国データバンクとは、ビジネスに役立たせるために様々な企業の信用情報を調査し、発信している会社です。

借り入れの申し込みを受け付けると、金融機関はその借り入れ本人の勤務先の業績が安定しているかどうか確認するため、帝国データバンクに調査を依頼する場合もあるのです。

データバンクは、調査を依頼されると、指定された会社について業績などを調査し、現状を嘘偽りなく報告します。これにより、勤務先の現状が明らかになるのです。

・金融機関独自のデータベース
帝国データバンクや東京商工リサーチなどから資料を買っている金融機関もあります。そして金融機関独自のデータベースを作り、そこから申し込み者の勤務先情報を確認する場合もあります。

・会社のホームページ
インターネット上にある、それぞれの会社のホームページをチェックして、その会社の概要などを確認する場合もあります。

・NTTのタウンページ
NTTのタウンページに会社名が掲載されているかどうかを確認する場合もあります。

・会社のパンフレットなど
住宅ローン申し込み時に、会社のパンフレットや会社情報などがわかるものを提出するよう依頼する場合もあります。

この様にして、様々な手段を使って勤務先情報を詳しくチェックしているため、申し込み時に会社の規模や従業員数などを偽って記入するとすぐにばれてしまうのです。

嘘の申告をしてそれがバレてしまうと、住宅ローンに通過できるはずだったとしても「嘘をつく人」と判断され、審査に通過出来なくなってしまいます。

ですから、住宅ローン審査に不利になるかもしれない事でも、まずは正直に申告することが大切です。

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住宅ローン審査に有利な勤務先

基本的には、自営業よりも会社員の方が収入が安定していますし、大企業よりも中小企業、中小企業よりも零細企業の方が延滞率が高いというデータなどもあるため、自営業、零細企業、中小企業(帝国データバンクに掲載されていない)、中小企業(帝国データバンクに掲載されている)、大企業、公務員という順で、どんどん住宅ローンの審査には有利になっていきます。

つまり、勤務先の規模が小さければ小さいほど住宅ローン審査には不利になってしまうという事ですね。

しかし住宅ローンの審査では、規模が大きい小さいだけでは判断できないこともたくさんあります。

規模が大きくても倒産寸前の状態では、その会社に勤めている方にお金を貸すことは出来ませんし、小さな企業に勤めていても長い歴史があり安定さを感じられるような会社であれば、審査に有利となることもあります。

そのため、勤務先については、規模と同時にその業績なども上に挙げた様な方法で確認をしているのです。

確認した結果、審査が有利になると考えられるは、以下の様な勤務先になります。

・業績が安定している大企業
業績が安定しているということは将来性も期待できますね。

さらに規模が大きければ大きいほど給料も高くなる傾向にあるため、収入面でも安心感が得られます。今後長く務めることで出世した場合、さらなる高収入となることも期待できるため、このような企業に勤めている場合は好印象となります。

・長い実績がある安定した企業
大規模ではなくても、長い歴史と実績のある企業であれば、今後も倒産するリスクが低いと言えますね。

企業としても安定しているため、このような会社に勤めている場合、急激に収入が落ち込むということも考えにくいでしょう。

・地域に根差した地元企業
地元民から愛された地元企業の場合、規模が小さくても安定している傾向にあります。このような地元企業に勤めている場合も好印象となります。

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住宅ローン審査に不利な勤務先

逆に、住宅ローン審査に不利になるのは、どのような勤務先でしょう?ひとつずつ見ていきましょう。

・非上場企業で規模が小さい
規模の小さい企業は全て不利というわけではありませんが、非上場企業の場合、上場企業に比べると離職率が高く、経営状態に左右されやすいため給料が低かったり不安定さある、退職金がない等、将来的な収入の面での不安があると考えられます。

「安定した収入」、「毎月の確実な返済」という点で考えた場合、金融機関にとって「規模が小さい非上場企業」という点は、不安材料の一つとなってしまうのです。そのため、非上場企業は上場企業よりも住宅ローン審査で不利になると言えるでしょう。

・大手でも不安定さが見える場合
有名な大企業だとしても、業績が思わしくなく、倒産の危険性もある状態では困りますね。突然リストラされたり、実際に倒産し、無職となってしまうことも十分考えられます。そのため、業績が落ち込んでいる企業の場合も、大手だとしても住宅ローンの審査が不利になってしまいます。

・新設会社
最近新しく設立された会社で、まだ基盤もできていない状態では、安心できる会社とは言えませんね。もちろん今後業績がアップしていく可能性もありますが、まだ将来性はわからないため、住宅ローン審査では不利になりやすいです。

・不祥事があった会社
社会の信頼を失うような不祥事を起こした企業に勤めている場合、印象は良くないですね。住宅ローンを申し込んだ方が直接関わるような内容ではなくても、そのようなスキャンダルを起こした企業の場合、突然業績が落ち込み倒産してしまう危険性も考えられます。そのため、審査に不利になってしまうでしょう。

・離職率の高い不安定さのある仕事
パチンコ店の店員、タクシー運転手など、不安定さがあり離職率も高い仕事の場合も、審査に通過しにくいと言えます。

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住宅ローン審査に不利な勤務先の場合の注意点

ここ最近では、大企業でもリストラや倒産などが考えられるため、勤務先の規模は重要視しない金融機関も増えてきましたし、規模よりも業績を重視する傾向にはありますが、やはり有名な大手と無名な中小企業で比較した場合に、有名な大手の方が住宅ローン審査に有利になりやすい傾向にあります。

では、審査で不利になってしまうような勤務先の場合、どの様にすると審査通過の可能性を高めることが出来るのでしょう?

いくつか注意点を挙げておきますね。

①他の属性でカバー
他社からの借り入れがない、過去の返済履歴にも問題がない、少ないけれど毎月安定した収入がある、収入に見合った借入額である、など、他の項目での安心材料が多いと、勤務先が非上場企業で規模も小さい場合でも、審査に通過する可能性が高まります。

逆に、安定した大手に勤めていたとしても、勤続年数が1年未満だったり、個人信用情報に延滞の履歴が載っていると、審査に通過するのが難しくなってしまいます。

この様に、審査は勤務先がどこかだけではなく、他の属性も総合的に見て判断しているため、勤務先に不安がある場合は、他の項目で安心してもらえるよう、他社の借り入れを完済させたり、頭金を入れて借入額を減らす、長く勤めてから申し込む等、出来る限りの努力をしてみましょう。

②柔軟性のある金融機関へ申し込み
もし、審査に不利だと感じられる勤務先の場合、人気の高い都市銀行等よりも、比較的審査に柔軟性がある地方銀行や信用金庫を選択したほうが安全です。

人気の低い金融機関の場合、金利が高かったりサービス面で残念な部分が多いこともありますが、その分申込者数も少ないため、申し込んできた方は積極的に審査に通過させようとしてくれます。

そのため、比較的審査に通過しやすい傾向にあるのです。また、住宅購入の際にサポートしてくれた不動産会社の提携銀行に申し込みをすると通過しやすいという事もあります。

さらに、フラット35であれば、申し込み本人の属性よりも住宅に対しての審査を重視している傾向にあるため、審査通過の可能性が高くなるかもしれません。

フラット35の場合、自営業やパート、アルバイトなど、銀行の審査では通過しにくい雇用形態だとしても審査通過可能ですし、勤続年数が1年未満でも申し込みすることが出来るのです。

銀行の審査が難しそうなのであれば、フラット35も検討してみるといいかもしれませんね。

ただし、フラット35の場合は取得する住宅が住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしていないと利用することが出来ません。技術基準を満たした住宅なのか確認しておきましょう。

フラット35「技術基準」

③人の目による審査
AI(人工知能)によるスピード審査を導入している金融機関も増えてきています。AIの導入が増えると、審査スピードや効率は上がりますが、機械的に合否が決定されてしまいます。

すると属性で不安な項目がある方(勤務先の規模が小さいなども含め)は、それについて説明する余地がなくなる可能性も高いのです。

しかし、AIではなく人の目による審査の場合、金融機関担当者が納得するような説明が出来れば、属性に不安な部分があったとしても通過できる可能性も高まります。

ですから、AIを導入しているかどうかを確認して、人の目での審査が行われている金融機関へ申し込みをしてみるのもいいですね。

ここ最近は大手でも倒産の危険性があるため、勤務先の規模についてはそれほど重要視しないという金融機関も増えてきています。申し込む金融機関によっては、それほど心配しなくても、問題なく通過できることも十分考えられます。

④嘘偽りない申告
勤務先の規模が小さく業績も不安定な場合、住宅ローン審査に通過できるか不安ですね。この時、審査に通過するために、嘘の勤務先を記入する方もいます。

しかし金融機関によっては、その会社に実際に勤めているかどうかを知るために、勤務先に電話し在籍確認をしています。そのため、実際にその会社に勤めているかどうかというのはすぐにわかってしまうのです。

実際、記入した勤務先が実在していなかったというケースや、源泉徴収票に勤務先が書いてあるので大丈夫と思ったけれど、実は源泉徴収票は以前のもので、発行された後に転職や退職をしていたというケースも昔はあったようです。

そのため金融機関では、記入された勤務先に本当に勤めているのか、実在するのか確認しているのです。もし、ここで嘘が発覚してしまうと、通過出来る住宅ローン審査も通過出来なくなってしまいます。

規模の小さい勤務先だとしても他の属性でカバーできるため融資OKとなっていたかもしれないのに、勤務先を偽って大手企業の名称を記載してしまうことで、「嘘をつく人」「信頼できない人」として審査に落ちてしまうのです。

勤務先に不安を感じていたとしても、嘘偽りない申告をすることが何よりも大切です。

⑤依頼された書類は確実に提出
たいていの金融機関では、独自のデータベースや帝国データバンクの資料などから勤務先の情報を入手し調査しています。

しかし、金融機関によっては、勤務先の詳しい情報を知るために、会社謄本や会社案内のパンフレット、会社のホームページを印刷したものなどの提出を依頼してくる場合もあります。

依頼されたら、きちんと準備して提出するようにしましょう。

また、ホームページを作成していない古い気質の会社もありますね。さらに小さな企業で帝国データバンクにも掲載されていない場合、金融機関はその会社の情報を入手することが出来ません。

この様な場合、勤務先の概要書などを作成して提出するよう依頼されることもあります。

設立年月日、資本金、営業内容、主要取引先、年間売上高など、金融機関からの指示通り必要事項を明記して提出するようにしましょう。

この様な概要書を提出しなかったことで、勤務先の実態を把握できないとして審査に通過出来なくなってしまったケースもあるので、注意が必要です。

<まとめ>
このように、勤務先の規模が小さい場合「有利」とは言えませんが、業績次第では問題なく審査に通過することができますし、他の属性がどのようになっているかによって審査結果は変わってくるため、一概に「勤務先の規模が小さい=審査に不利」とは言えません。

業績が不安定で住宅ローン審査に通過出来るか不安な場合は、他の属性でカバーできるよう努力しながら、不動産会社の協力を得たり、申し込む金融機関を吟味したり、場合によって家族と収入合算するなど申し込み方法を変えてみるのも一つの手段です。

また、一つの銀行の住宅ローン審査に落ちても、全ての銀行の審査に通過出来ないという事ではないので、あきらめずに再度別の銀行に申し込みをしてみましょう。

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