マイカーローン 短期間に複数社に申し込んでも大丈夫?
ローンを利用する場合、できるだけ好条件で契約したいというのは誰もが思うところでしょう。特に完済まで数年を要し、少しの利率の差が支払利息に大きく影響を及ぼすマイカーローンなら、極力良い条件のローンを探したいと思うのは当然です。
各業者のローンの情報を見てみるとわかるとおり、通常、ローンには金利の幅があります。これは申し込む方に対して一律の条件で融資が行われるのではなく、いくらかの条件の違いがあることを示しています。
つまりローンは実際に申し込みを行ってみなければ、はっきりした金利や融資額などの条件はわからないわけです。
それではマイカーローンを比較検討するために、一度に複数の業者に申し込みを行っても問題はないのでしょうか?
希望するマイカーローンの審査に通らなかったために、すぐに他社のローンに申し込みを考えているケースも含め、短期間に複数社のローンに申し込む是非についてご紹介します。
<もくじ>
短期間のマイカーローン申し込みは審査に悪影響を及ぼす!
結論から言えば、短期間に複数のマイカーローンに申し込むのはお勧めしません。特に審査基準の厳しい銀行のマイカーローンだと、短期間に複数の申し込みをしたことが大きな失点となる恐れがあります。それはなぜなのでしょうか。
マイカーローン審査を行う際の資料となるのは、自己申告した年収や雇用状況だけではありません。これまでどうお金を借り、返したのかを記した資料が、その人の客観的な信用度を示してくれるのです。
これまで申し込んだローンやキャッシングの返済状況は、信用情報機関が取りまとめる信用情報に記載されています。
信用情報機関の会員や提携している業者はそれらの情報を入手することが可能なので、たとえ以前お金を借りた業者とは違うところにローンを申し込んでも、その内容は全てわかってしまいます。
今回マイカーローンを申し込んだ事実も、同じように記録として残されます。ごく短期間に複数の業者に申し込んでいる記録を見れば、当然印象はあまり良くありません。
「この人はお金に困っているのではないか、それなら返済も滞ってしまうのではないか」「これだけあちこちに申し込んでいるのなら、なにもこちらが無理して貸すことはないのではないか」と思われてしまう可能性があるのです。
まして他社の審査に落ちた記録があれば、「何かこちらが気づいていない問題を抱えているのではないか」と警戒されても不思議ではありません。直近の申し込みの記録が審査に対して悪い影響を及ぼすケースは決して少なくないわけです。
申し込みブラック
一般的に、半年以内に3社以上の申し込みを行った場合に審査に通りにくくなるという現象が起こります。これを「申し込みブラック」と呼ぶことがあります。
逆に言えば、比較的短期間に申し込みを行うなら2社までに止めておいて、その後は半年インターバルを開けることで申し込みブラックを回避することができるわけです。
つい、できるだけ早く決着をつけてしまいたいと考えがちですが、ここはしっかりタイミングを見計らうのが吉。「半年待っている間に少しでもお金を貯めて頭金を作ることで、次のローンに通りやすくなるというメリットがある」と考えると良いのではないでしょうか。
とはいえ、複数のローンを比較検討してから申し込みたいと考えるのは、借りる側としてはきわめて当たり前の感情でしょう。そもそもいくら「ブラック」という名前がついているとしても、実際に返済に対して遅延などを起こしている方とは全く次元の異なる話です。そのため、通常考えられている「ブラック」とは、信用情報のうえでの扱いも当然異なっています。
長期延滞など他の金融事故は5年から10年程度、信用情報にその記録が残ってしまいますが、申し込みブラックの場合の情報保持は半年のみ。その後はその情報は消され、それとともにブラック状態も解消されますので安心してください。
信用情報は自分でも確認可能
現在の自分の信用情報がどうなっているのかを確認したい場合には、直接信用情報機関に情報開示を請求することが可能です。現在信用情報を取り扱っている機関は次の3つで、マイカーローンなどを取り扱う金融機関やローン業者はこの3つの情報機関のいずれか、または複数に加盟しています。
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本情報信用機構(JICC)
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
どの機関にどの業者が加盟しているのかは、各機関のサイトかまたは各業者のサイトで確認することができるので、申し込みを考えている業者が加盟している機関に情報を請求すると良いでしょう。情報開示は各機関の窓口やインターネット、郵便などで申し込むことができます。
前回の申し込みからそろそろ半年経つけれど、きちんと情報が消えているのか心配、という場合にも、前もって確認しておきましょう。手数料が500円~1,000円程度かかりますが、自分の目でチェックしておけば安心して次に申し込むことができますね。
マイカーローンの仮審査なら申し込んでも大丈夫
全てのマイカーローンではありませんが、中には本審査に先立って仮審査が受けられるものもあります。
マイカーローンの仮審査を受けるとその合否とともに、いくら融資を受けられるのか、また金利が何%になるのかがわかります。
しかしあくまでも「仮の」審査ですので、申し込んだことやその結果などは信用情報には記載されません。
当然、マイカーローンの仮審査に申し込んだことが他社に知られる心配もないので、その後新たに他のマイカーローンの審査を受けることがあっても、それがマイナスに作用することはないわけです。つまり、仮審査を受けたローン同士で条件の比較が自由にできるというわけですね。
たとえマイカーローンの仮審査に通ったとしても、必ず本審査を受けなければならないということはなく、そのままキャンセルしてしまうことももちろん可能です。
銀行などの中にはこのことを全面に打ち出して、気軽に審査を受けてみるように勧めているところも多く見かけられます。
ただし、仮審査に通ったからと言って絶対にマイカーローンの本審査に通るというわけではありませんので、この点は十分に理解しておく必要があります。
仮審査を設けているマイカーローンをいくつかご紹介しましょう。
三菱UFJ銀行 ネットDEマイカーローン
三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンには仮審査に相当する事前審査があります。事前審査を受けるには、三菱UFJ銀行に口座がない方は店頭まで出かける必要がありますが、申し込みまでに口座を開設しておけばWEBのみで完結します。
事前審査の結果は最短で翌日にはメールにて回答があります。その後、本審査を受ける際、申し込みとともに必要な書類を提出すればOKです。事前審査の結果の有効期限は3ヶ月ですので、本審査に進む方はそれまでに申し込みを済ませましょう。
りそな銀行 マイカーローン
りそな銀行マイカーローンの仮審査は購入車両が決定する前でも申し込みが可能。見積書等の提出も不要です。
仮審査の結果の有効期限は承認日より3ヶ月。仮審査申し込み後、予定より額が大きくなったり借入期間が長くなる場合には再度申し込み手続きが必要となりますが、その逆の(予定より額が小さくなった、または借入期間が短くなった)場合はそのまま仮審査の結果を活かすことができます。
住信SBIネット銀行 MR.自動車ローン
住信SBIネット銀行のMR.自動車ローンの仮審査は、結果がわかるまで数時間から2営業日以内と非常にスピーディーです。結果はメールとサイトログイン後のメッセージボックスに届けられます。審査結果を見て、額が希望に合わないなど条件に満足できない場合にはもちろんキャンセル可能です。
注意しなければならないのは、仮審査でも住信SBIネット銀行または保証会社から電話がかかってくるケースがあることでしょう。
仮審査の有効期限は、「仮審査承認のお知らせ」メール配信日から90日以内。本審査を希望する方は、必要書類の提出とともに期限内に申し込みましょう。なお、契約時に借入期間を10年以内の期間で変更することが可能です。
静岡銀行 しずぎんマイカーローン
購入する車種がまだ決まってなくても仮審査が受けられる静岡銀行のしずぎんマイカーローン。仮審査の結果は最短3日で連絡されます。本審査への申し込みは店頭でのみの受け付けとなり、その際に必要書類を提出することになります。
仮審査の結果は1年間有効と、他社と比べてかなり長めに設定されています。もちろん仮審査を受けた後にキャンセルすることも可能なので、車の購入がある程度決まったときにあらかじめ仮審査だけを受けておけば、その後がスムーズに進みます。
横浜銀行 マイカーローン
横浜銀行のマイカーローンはインターネットで仮審査を申し込み、その後最短翌日にはメールにて結果が回答されます。車種が決定する前でも申し込みが可能です。
仮審査の結果は3ヶ月有効。結果を見て本審査に申し込むのもキャンセルするのももちろん自由です。
<終わりに>
このように、仮審査は信用情報に影響がなく、とても便利なシステムです。もしご希望のマイカーローンに仮審査が設けられているのなら、ぜひ積極的に受けてみましょう。
マイカーローン審査に通る見込みがないものに申し込んで無駄に審査落ちする事態を避けられますし、融資を受けられる金額も具体的にわかります。
残念ながら仮審査がないマイカーローンの場合には、一度に3社以上重ならないように気をつけて申し込みましょう。