住宅ローンの審査でも在籍確認ってあるの?

銀行や消費者金融のカードローンは申し込みをすると、勤務先に本当に在籍しているかの確認の電話(在籍確認)があるのは有名ですが、実は、住宅ローンの申し込みをした際も、同じような在籍確認が行われます。

しかし「在籍確認はなかった」「電話はかかってきたみたいだけど不在だったので会話はできていない」などという方も多いかもしれませんね。

在籍確認はいかなる場合も誰に対しても行われるわけではないからです。

今回は、なぜ在籍確認が行われるのか、在籍確認の方法や質問内容、在籍確認が行われないケースなどについて詳しく解説します。

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住宅ローン審査時にはなぜ在籍確認が必要なの?

金融機関は、住宅ローンの申し込みがあると、申し込んできた本人に返済能力があるかどうかの審査を行います。

返済能力がなければ、お金を貸しても確実な回収が期待できないからです。

返済能力の有無は、以下の様な点から確認しています。

・働いているのか
・安定した収入があるのか
・今後も継続的な収入が期待できるのか

もちろんこの他にも、健康状態が良好か、年齢は申し込み条件の範囲内か、過去に延滞した履歴がないか、収入に対する借り入れ額は妥当か、頭金の有無、預貯金の有無、物件の評価額など様々な観点からも審査は行われますが、申し込み者が無職で収入そのものがなければ話は始まりませんね。

実際、住宅ローン申し込みの際に以下の様な虚偽の申告をする方もいるのです。

・無職だけれど勤務先欄には実際に存在している無関係の会社名を記入
・業績不振の企業に勤めているけれど、そのままでは通過の可能性が低いため、架空の勤務先を記入
・派遣社員や契約社員なのに、正社員と記入

住宅ローンの審査で嘘を見抜けずにそのまま合格にして融資してしまうと、その後返済が困難になり確実な回収が出来なくなってしまうかもしれません。

そこで、申し込み内容に嘘がないか、一番大事な「収入」の部分に問題はないのかを知るために在籍確認を行うのです。

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住宅ローン審査時の在籍確認はどんなこと聞かれる?

電話の取り次ぎが難しい会社の場合は担当者が実際に勤務先へ出向くこともありますが、たいていは金融機関か保証会社が、申し込み本人の勤務先へ電話をかけて在籍確認を行います。

住宅ローンの申し込み書に記載されている勤務先に電話をかけて、いくつかの質問に回答し、確実にその会社に勤めていることがわかれば、在籍確認は終了です。

在籍確認の際の質問は、金融機関によっても違ってきますが、たいていは以下の様な簡単なものばかりです。

・申し込み本人の氏名
・生年月日
・住所
・電話番号
・新住所から通勤する際にかかる時間
・新居(住宅ローン対象物件)の入居時期

など。

全て確実に回答できれば、在籍確認は無事終了となります。その他、軽い挨拶や雑談程度の会話があるかもしれませんが、たいていは数分で終了するでしょう。

また、本人確認のため、勤務先と自宅の両方に電話をかける金融機関もありますが、その場合も簡単な質問に答えるだけで完了するので、それほど構える必要はありません。

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住宅ローン審査の在籍確認が行われるタイミング

住宅ローンの申し込みをすると、通常、仮審査と本審査の2回の審査がありますね。

在籍確認は、たいてい住宅ローン本審査の最終段階に1度だけ行われます。

いつ頃電話がかかってくるかは、銀行も教えてくれませんし、住宅ローン審査にかかる時間によっても違ってくるためわからないのですが、本審査の最終段階で行われるということがわかっていると、ある程度予想することはできますね。

例えば、住宅ローン本審査申し込み後に「結果は2週間後にご連絡します」等と言われれば、申し込みから2週間前後で在籍確認が行われるということになります。

ただし全ての方に対してどの金融機関も同じタイミングで在籍確認するとは限りません。

住宅ローンを申し込む金融機関によっては仮審査の時に電話をかける場合もありますし、個人事業主の場合は、仮審査と本審査の両方で行われることもあります。

さらに、金融機関が電話をかけた時、本人が不在で、その後本人から金融機関へ折り返しの電話をしたとしても、それは在籍確認とはみなせないため、また別のタイミングでさらなる在籍確認の電話が金融機関からかかってくることもあります。

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住宅ローン審査の在籍確認で注意すべきこと

①電話に出られる時間帯を金融機関に伝える

営業で日中はほとんど会社にいない方や、平日にお休みをとっている方の場合、在籍確認の電話が来ても電話に出ることが出来ないこともありますね。

金融機関によっては、同じ会社の方が「外出中です」「お休みをいただいています」と伝えるだけでも、在籍していることがわかるため確認完了とする場合もありますが、本人が出ないと確認終了とならない金融機関の場合、電話に出ることが出来ないと審査がストップしてしまいます。

在籍確認がいつ行われるのか明確な日時がわかれば会社で電話が来るのを待ち構えていることが出来ますが、偽装工作防止のため金融機関から在籍確認の明確な日時を知らせることはありません。

この場合は「休みは何曜日にとっている」「外回りしているので5時過ぎなら会社に戻っている」「いつからいつまで出張でいない」「何曜日に会議がある」など、今後の予定をあらかじめ住宅ローンを申し込んだ金融機関に伝えておくといいでしょう。

また、外回りが長引いたりする可能性もある場合は、その時間に電話をしても日によってはいないかもしれないという事も伝えておくと、安心ですね。

もし可能であれば、電話をかけてくる時間帯を夕方に絞る、何曜日を省いてもらう等が出来ないか、住宅ローンを申し込んだ金融機関に交渉してみてもいいかもしれません。

②電話取り次ぎが難しい会社の場合の対応

在籍確認の電話は、金融機関名や保証会社名ではなく個人名でかかって来ることが多いです。

個人名からかかってきた電話でも、スムーズに本人に取り次いでもらえるといいのですが、取り次ぎに厳しい会社も当然ありますね。

例えば、電話に関して以下の様なルールを定めている場合です。

・私用電話は禁止
・用件を確認してから本人につなぐ
・本人不在の場合、在籍確認に応じない

この様な会社に勤めていると、せっかく会社にいても金融機関からの電話を取り次いでもらえないかもしれませんね。

個人名の電話は私用電話とみなされやすいですし、住宅ローン申し込み者の中には、「住宅ローンを組むことを知られたくない」「住宅を購入することを内緒にしている」などという方もいるため、金融機関はむやみに用件を伝えることもできません。

しかし、これでは在籍確認ができなくなってしまいます。

そのため、電話受付の方に、「自分宛ての電話が来るはずなので取り次いでほしい」と伝えておいたり、取り次ぎが難しい会社だという事を、住宅ローンを申し込んだ金融機関に伝えておくなど、何かしらの対応をしておくことが大切です。

もしくは、自分の部署直通の電話番号を金融機関に伝えておいてもいいかもしれませんね。

最近は個人情報保護法により、個人名からの電話を取り次いでもらえない会社も増えてきたため、金融機関名と担当者名を名乗り、電話をかけてくるケースも増えましたが、全ての金融機関がそのような対応に変更しているわけではないため、出来る限りの対策はしておきましょう。

③融資を知られたくない場合

住宅ローンを組むことを勤務先に知られたくない、家を購入することを隠しているなどの場合、在籍確認の電話で金融機関名を名乗られると困りますね。

この場合、知られたくないという事を金融機関に伝え、個人名でかけてもらえるようお願いしておくと安心ですね。

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住宅ローン審査時に在籍確認がないケース

住宅ローンの申し込み時点で提出する源泉徴収票には、給与を支払っている勤務先の名前が記載されています。

ですから、源泉徴収票を見れば実際にその会社に勤めているかどうかを確認することはできるのです。

金融機関によっては、源泉徴収票に記載されている勤務先で在籍確認を終了する場合もあります。この場合は当然在籍確認の電話もありません。

その他、以下の様な書類からも在籍確認ができます。

・健康保険組合が発行する健康保険証
・住民税特別徴収税額の通知書

では、他の金融機関も源泉徴収票等の書類で確認するだけでいいのでは?という疑問の声が上がりそうですが、源泉徴収票が発行されるのは1年に1度ですね。

ですから、その徴収票が発行された後に退職や転職している可能性も考えられるのです。

より確実な住宅ローン審査を行う金融機関では、源泉徴収票等で勤務先を確認した後でも在籍確認の電話をかけるのです。

ただし、住宅ローンを申し込んだ銀行を給与振込口座として利用している場合は、通帳を見るとどの会社から給与振り込みがあるかを確認することが出来ますね。

この様な場合、振込先が、申し込み書に記載された勤務先と同一であれば、在籍確認の電話を省くこともあります。

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住宅ローンの在籍確認「まとめ」

住宅ローンの申し込みをしても、在籍確認があるのかと不安になる方も多いかもしれませんが、申し込み書に実際に勤めている会社の名前を正直に記入したのであれば、在籍確認に対して不安を感じたり、あまり神経質に考える必要はありません。

金融機関としては、その会社が実在するのか、本当に勤務しているのかを確認できればいいだけなので、たいていは本人不在でも「離席しています」「外出中です」「お休みをいただいています」等の回答をもらえれば、それで在籍確認完了とする金融機関も多いからです。

本人が電話に出ることができたとしても、氏名と生年月日だけを確認して終了する場合もあります。

その他の質問があったとしても、簡単に答えられるような内容のものばかりなので、たいていは1分以内で終了するでしょう。

ですから、住宅ローン申し込み書の記載に嘘偽りがなければ、心配する必要はないのです。

さらに、在籍確認は住宅ローンの本審査の最終段階で行われることが多いため、在籍確認があったという事は、そこまで住宅ローン審査が順調に進んでいるという証拠でもあります。

在籍確認が完了すると、もう少しで住宅ローン審査が完了し合格の連絡が来るでしょう。そう考えると嬉しくなりますね。

逆に、なんとか住宅ローン審査に通過するために、勤務先欄に実際には勤めていない上場企業の名前を記入したり、実在しない会社名を書こうとするのは絶対に避けましょう。

どんなに嘘をついても金融機関にはすぐにバレてしまいますし、せっかく審査が順調に進んでいたとしても、「嘘の申告があった」という事実により、確実に不合格となってしまいます。

住宅ローン審査に通過できるか不安でも、嘘偽りない事実を正確に記載することが審査通過に近づく方法です。

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