ギャンブル依存症とは?
ギャンブル依存症と言うのは、借金依存症と併発することが多いのですが、借金をしてまでギャンブルをすることを止められない精神状態のことを指します。
一般的にはギャンブル依存症ではなく、「強迫的ギャンブル」や「病的賭博」と呼ばれることが多いでしょう。
ギャンブルというのはあまりいいイメージを持たない方が多いかもしれませんが、きちんとマナーを守って行う合法のギャンブルであれば、誰でも行える娯楽のひとつです。
週末などに、家族や友人と競馬を見に行ったり、totoなどに少額をかける程度であれば、適度な緊張感を持ちながら楽しむことができますね。
しかし、この様な小さな賭け事を行っているうちに、どんどんギャンブルにはまり、抜けられなくなってしまう方もいるのです。
それが、ギャンブル依存症です。
では、ギャンブル依存症の症状や、そこから抜け出す方法について見ていきましょう。
1.ギャンブル依存症とは
ギャンブルというのは大人の遊びという感覚を持っている方が多いかもしれませんが、実は子供の頃から、ギャンブルに近い感覚は養われているとも言われています。
例えば、コインを入れて、何が出てくるか分からないままレバーを回す、カプセルトイ(ガチャガチャ)。
欲しいものが出てくるとは限らないので、ドキドキ感を得られますね。欲しいものが当たらなければコインの無駄となってしまいますが、もし当たれば、欲しいものを単純にレジに持って行って購入するよりも高まる気持ちを得られます。
これは一種のギャンブルの様なものです。
お菓子についてくるオモチャやシール、カードなどもそうですね。袋を開けるまで何が当たるかはわかりません。吉と出るか凶と出るか、子どもながらにそのギャンブル性を楽しんでいるのです。
このように小さなころからギャンブルに慣れ親しんでいる背景があり、更に大人になってからギャンブルで大当たりしたという経験のある方が、依存症になりやすいと言われています。
ギャンブルの楽しさと言うのは、当たって初めて得られるものです。なかなか大当たりしなければお金の無駄と感じ気持ちも冷めていくことでしょう。
しかし、一度大当たりして、その快感を覚えてしまった方は、負けても負けても「次は当たるかもしれない」と、当たった時の感覚を忘れられずどんどんお金をつぎ込んでしまうのです。
そして勝つまで借金をしてまでもギャンブルを続けてしまいます。
これも、小さなころからギャンブルに触れあっていない場合は、ギャンブルに対する抵抗感が邪魔をし、深みにはまりにくいのですが、子供の頃から遊びの一貫として触れ合ってきた場合はそれほど抵抗なくギャンブルに入りこんでいってしまいます。
しかしギャンブルというのはトータルで考えると赤字になるような仕組みになっていますので、いくら大当たりしたことがあっても、負けた額と合わせると結局はマイナスなのです。
つまり、一度ギャンブルにはまってしまうと、借金地獄にも同時にはまって行く傾向にあります。
キャッシングやカードローン等、お金を借りられる制度を最大限に利用し、借りたお金を全額ギャンブルにつぎ込み多重債務となり、借入が出来なくなってくると友人や家族の財布からお金を抜くなどの犯罪行為にまで及ぶ場合もあります。
ギャンブルに依存してしまうと、周囲の信頼もなくなっていくことでしょう。
周囲の信頼をなくしてしまうと、そこから抜け出す為の協力も得られなくなってしまうので、依存症を克服することがとても難しくなってしまいます。
ギャンブル依存症から抜けられず、その後で待ち構えているのは、闇金などからの借金、厳しい取り立て、失業、家庭内不和、うつ病、自殺・・・。
決して良い結果を招くものではありませんね。
最悪の事態を招くことを防ぐためには、軽い段階で依存症かも知れないと自覚し、抜け出す努力をする事が大切です。
2.ギャンブル依存症を抜け出すには
ギャンブル依存症は、「止めたくても止められない」という状態のことです。勝ち続けていれば借金地獄に陥ることもなく、楽しい気持ちだけを得られ好都合ですが、ギャンブルにおいて勝ち続けることは不可能と言っても過言ではないでしょう。
どんなに大当たりした経験があっても、いつかは必ず負ける時が来るのです。大当たりしたからこそ高額を賭けて大損する可能性も高くなります。
ですから、ギャンブルはたしなむ程度でストップをかけることが大切なのですが、止め時が分からなくなってしまう事が多いというのも事実です。
特にカードローンやキャッシングで借金をしてギャンブルをしている方は、「当てて借金返済しなければ」という切羽詰った気持ちから、負けても負けてもどんどんお金をつぎ込んでしまう傾向にあります。
どんなに負けても、大儲けしたらつぎ込んだお金を全額取り戻せると考えてしまうのです。途中でやめたら、つぎこんだお金はそのままですね。
だからこそ、勝つまで止めることが出来なくなってしまうのです。
しかしこの場合、取り返せる確率はとても低いのです。たいていはお金がなくなるまでつぎ込み、結局無一文で帰路につく形となるでしょう。
これは一種の中毒の様なものとも言われています。
煙草やアルコールを止められない感覚と似ているのです。
煙草やアルコールも、止めるには強い意思と長期的な努力が必要となりますね。ギャンブル依存症も同じで、「絶対に抜け出したい」という本人の強い意思と継続的な努力がなければ難しいのです。
そのため、ギャンブル依存症の場合、専門の病院を受診し、入院や通院などで適切な治療を受けながら完治を目指す方も多くいらっしゃいます。
まずは周囲が依存症であることを自覚させること、そして自分自身が「抜け出したい」と強く思うことが大切です。
3.ギャンブル依存度のチェック
知らず知らずのうちにはまっているギャンブル。依存症ではないと思いつつもなかなかギャンブルを止められないという方は、もしかするとギャンブル依存症になりかけているのかもしれません。
軽度であれば早い段階で対処すれば抜け出すことも簡単です。
自分がどの程度依存しているのか、チェック項目でチェックしてみましょう。
②ストレス発散や、嫌なことを忘れるためにギャンブルをしたことがある、もしくはしたくなる。
③ギャンブルの為に大切なものを手放した経験がある。
④ギャンブルで負けると、今度は取りかえそうと、次ギャンブルをしに行くための計画を立ててしまう。
⑤ギャンブルに勝つと、今度はもっと勝とうと考えてしまう。
⑥ギャンブルで家族や友人の信頼を失ったことがある。
⑦ギャンブルを止められなくて、仕事を休んだことがある。
⑧借金問題はギャンブルで何とかしようと計画したことがある。
⑨ギャンブルをした後、強い罪悪感を覚えることがある。
⑩ギャンブルで生計をたてようと考えたことがある。
10項目全てに当てはまったという方は注意が必要です。
依存症かも知れないと自覚し、これ以上深みにはまらないよう、抜け出す手立てを考えることが大切です。
4.ギャンブル依存症の治療方法
債務整理
借金がある場合は、債務整理などの手続きを行い、一度借金をしっかり清算しましょう。債務整理を行うと最低でも5年間は個人信用情報に記録され続けるので、金融機関から新たな借り入れも出来なくなってしまいます。
借り入れが出来なければ、ギャンブルの資金を手に入れることが出来なくなるので、必然的にギャンブルをすることが出来なくなります。
但し、依存症となっている状態では、一種の病気を患っているのと同じですので、お金がなくても何とかギャンブルをしようとしてしまうものです。
誰かの財布からお金を抜き取ったり、犯罪にまで手を染めてしまうかもしれません。
そうならないよう、周囲にいる家族や友人がしっかりと見守ることが大切です。
受診
専門医を受診してみるのも一つの手段です。今はギャンブル依存症専門の治療院がありますので、相談し、適切な治療を受けてみましょう。
欲しいものを買ってみる
不思議なことですが、普通の人が当たり前のように行っている、「働いて稼いだお金で欲しいものを買う」という行為を、ギャンブル依存症の方は行っていない場合が多いのです。
手に入れたお金は全額ギャンブルにつぎ込んでいるからです。
まずは欲しいものを探し、それを購入するという、通常のお金の使い方に戻してあげましょう。それにより本来の金銭感覚を取り戻し、ギャンブルにお金をつぎ込むことがもったいない行為だと感じられるようになるかもしれません。
欲しいものを見つけておくと、ギャンブルをしたい衝動にかられても、欲しいものを買うことでその気持ちを一時的に抑えられる場合もあります。
しかし、このギャンブル依存症を抜け出すためには、本人の「抜け出したい」という強い意思と努力が必要不可欠です。どんなに受診しても、お金を借りられない状況を作っても、意思が弱ければまたすぐにギャンブルに溺れてしまいます。
ギャンブルに溺れてしまえば、自分だけではなく周りにいる家族や友人をも不幸にするということを忘れないでください。
自分のためと考えると簡単に甘えが出て来てしまうかもしれませんが、大切な人の為と考えると努力し続けられるものですね。携帯の待ち受けを大切な人の写真にしておいたり、ギャンブルを止めてほしいという恋人からの手紙を持ち歩くなど、その人それぞれの継続的な努力に繋がるアイテムを利用して、ギャンブルから離れられるようにしていくといいでしょう。